住宅、オフィスなどの複合施設が続々、
今後の変化が楽しみ
再開発エリアと外堀通りを挟み、東側には老舗や規模の小さめなビルなどが集まる
歴史を紐解きだすときりがないほど古い街が、ここ1~2年で大きく変わろうとしています。そのひとつが、淡路町二丁目で行われている再開発。ここでは1997年(平成5年)に移転した淡路小学校の跡地を核に街作りが検討されてきましたが、2007年(平成19年)に都市計画が決定、現在は2013年(平成25年)完成を目指して、建設が進められています。
淡路町二丁目の再開発エリア。すぐ先に秋葉原のビル群が見える
計画ではオフィスや店舗、地域のコミュニティ施設のほか、分譲住宅、学生用賃貸住宅など多種の用途の施設が入る地上41階、15階の2棟の建物が建設されることになっており、隣接する淡路町公園の拡張整備の予定も。施行区域は約2.2haで、区画ひとつが生まれ変わる規模といえます。分譲住宅については立地が好評で、早々に大半が売れています。
聖橋から南側、日本最古のビザンチン建築として有名なニコライ堂の向こうに最新のビルが建設中。新旧が接する風景に歴史を感じる
また、この地域の北側、かつて日立製作所本社のあった土地でもオフィスや店舗、ホールなどを中心とした大規模な建物が建設中。完成後はJR御茶ノ水駅前に駅前広場が整備され、東京メトロ新御茶ノ水駅と直結することになっており、JR東日本は計画に合わせて線路上に人工地盤を設置、駅のバリアフリー化を推進する計画を発表しています。御茶ノ水駅前は乗降者数に比して狭く、常時混雑していましたが、再開発と連携した整備でその解消が図られるというわけです。
今では珍しい、煉瓦アーチの高架橋。万世橋から神田淡路町方面を見たところ
もうひとつ、少し離れますが、万世橋近くでも計画があります。かつての交通博物館、古くは中央線開業時の始発駅だった万世橋駅がオフィス、店舗などを中心とした地上20階建てのビルに変わるというもので、竣工予定は2012年(平成24年)末。煉瓦アーチの高架橋の景観を生かした、歴史を感じさせる建物になると聞きました。
かつての電気店街からオフィス、住宅建設などを経て大きく変化してきた秋葉原。都心近くでは街はどんどん変わっている
神田川を挟んで隣接する秋葉原が電気店街からオフィス、住宅の機能を兼ね備えた街へと変化してきたことを考えると、近い将来、このエリアがもっと複合的な街に生まれ変わっていくことも十分予想できます。忙しい生活を送る人はもちろん、足回りの利便性に加え、歴史的な風情、医療面の充実などはシニア層にもうれしい立地のはず。街並みの趣を残しつつ、住みやすい街に変わることを楽しみにしたいところです。
住宅供給は文京区内、
単身、カップル向けの間取りが中心
江戸の総鎮守神田明神があるのは神田川の北。このエリアは千代田区と文京区が入り組んでいるる
最後に簡単に住宅事情をまとめておきましょう。賃貸、分譲ともに供給が多いのは文京区側。町名でいえば湯島、本郷などが中心になっています。千代田区内では秋葉原駅に近い外神田が目につきます。賃貸ではワンルームマンションや1K、1DKなどといった単身者向きの間取りで10万円前後から、2DKで15万円~でメインはシングル向き。学生の多い街という事情を考えると当然かもしれません。
御茶ノ水駅から小川町、淡路町駅までは10分~10数分といったところ。区画が大きく、坂も多い
分譲ではほとんどが20戸から数十戸くらいの小規模なマンションで、間取りはシングル、カップル向きの50平米前後までがメイン。価格は5000万円~。中古ではワンルームも目に付き、20平米台で2000万円~、50平米で4000万円~。利便性だけのことはあります。