転職のノウハウ/転職活動を始める前に

外資の転職で押さえておきたい5つのポイント(2ページ目)

外資で働く人はもう珍しくない。外資と言えば、以前は中途採用の即戦力を採用するイメージがあったが、最近では新卒の採用に積極的な外資も目立つ。一方で外資転職にはある程度適齢期があるのも確かであり、外資転職の実現にはその傾向と対策を十分に研究しておく必要がある。初めて外資に転職を検討しているビジネスパーソンに、外資の働き方を紹介する。

小松 俊明

執筆者:小松 俊明

転職のノウハウ・外資転職ガイド


3.外資の採用方針

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外資経験者はそのまま外資のキャリアを積む

実際、外資は偏差値の高い大学卒を好んで採用するのではありません。意識的に国際経験が豊かな社員を多国籍で雇おうとする傾向があり、マネジメントを抜擢する際にも国籍にバラエティがあることや同性だけに偏らないような配慮がされています。

競争の厳しさは一方であるとしても、公平さや柔軟さが重視されることであらゆる特性を持った人を受け入れる懐があり、外資で一度働くとなかなか外資から離れにくくなるのです。シングルマザーや身障者、学歴が足りない人、過去に大きな病気をした人、産休明けのようなケースを差別することはありません。もちろん人間社会であるため、えり好みがあったり、社内政治もあるでしょうが、あくまでも仕事の能力や実績で勝負をする世界であることは間違いありません。その結果、入社年度が同じでも、または同じ年齢であったとしても昇進も昇給にも大きな差がつきます。

4.外資の職場環境

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学閥はないが会社閥はある場合も

外資の職場環境で目立つのは、英語が公用語であることです。ただし、日本人同士が英語を話すようなことはありません。日本人が大多数でも、外国人が1人でも会議に入るときはコミュニケーションや文書はすべて英語になります。外国人が当たり前のように職場にいることも外資ならではです。

年功序列はありませんし定年制も一般的ではありませんので、年下の上司、異性や外国人の上司も当たり前です。中途採用もたくさんあります。社長も社内昇進とは限らず、ある日突然社長交代が発表されたりもします。生え抜きを重用することもなく、学閥も外資には無縁です。

反面、一部の業界などにみられる傾向ですが、ある特定企業の出身者がその会社に一時的に増える現象がみられることがあります。中途採用が盛んであること、また他社からの引き抜きなども日常的にあることが背景にあります。特に社長や幹部のコネで、かつての同僚が新会社に引っ張られることが目立ちます。このため学閥ならぬ、会社閥のようなものが発生することがたまに見受けられます。

5.外資人材の働き方

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グローバル化は外資人材には追い風

職場では休暇をしっかりとる人が多く、残業などは自分の裁量で決めるものという認識は徹底されています。そもそも年俸制を導入している会社が多く、管理職でなくても残業代はつかないケースが目立ちます。基本的には誰もが短時間労働を目指すのですが、一方で外資の社員の中には、日本企業顔負けのハードワークな社員も散見されます。徹底的な成果主義の給与形態であることから、大きく稼ぐために日々激務をこなす人もたくさんいるのです。

ジェネラリストよりもスペシャリストを目指す人が多く、その方が転職市場で売れやすいことも確かです。社長も専門職であることから、会社から会社へと転職していく社長さんもたくさんいます。

外資で働く人が特別に優秀であるということはまったくありません。むしろ日本企業で働く人の方が学生時代の偏差値は格段に高い傾向はあります。しかし、外資で働く人の方がよりグローバル人材に近いビジネスマナーやスキルを持ちあわせているからでしょうか、世界がグローバル化に進んでいく方向とベクトルがあっていることは確かなような気がします。

また外資の場合、個人として才能にあふれた人が多く、その分若いころから給与水準がかなり高いのが現実です。いわゆる60歳で定年するまでの生涯年収を考えるような消極的な考え方ではなく、その時々の時代に自分のプロフェショナル人材としての価値を世に問うような生き方が、外資で働く人には求められているのです。グローバル人材として活躍するための1つのオプションとして、もっと多くの日本人ビジネスパーソンに外資で働くことを検討してほしいものです。

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