子供の病気/RSウイルス感染症

子供のロタウイルス胃腸炎の症状・治療・予防

ロタウイルスは子供に多い胃腸炎の原因の1つ。冬から春にかけて多い感染症で、腹痛、嘔吐、下痢などの症状が見られます。下痢の場合、便が白くなる白色便を起こすのが特徴。ロタウイルスによる感染性胃腸炎の症状、治療、予防法について説明します。

この記事の担当ガイド

法律、経済など多くの資格をもつ現役のアレルギー・小児科医師

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ロタウイルスによる胃腸炎の症状

下痢

腹痛と下痢が中心で、嘔吐や高熱があります

ロタウイルスは、冬から春まで流行する胃腸炎の代表格です。
  • 3~10日程度続く下痢
  • 1~3日見られる嘔吐
  • 39℃以上の高熱
  • 腹痛
  • 時に咳や鼻水のような風邪のような症状
  •  白い便(白色便)…下痢の回数が多いと便に色をつけることができないために起こる現象
などの症状が見れらます。子供に多いのは、高熱と嘔吐で始まり、2~3日の間に下痢をするパターン。私の娘も昔、生後8カ月にロタウイルスによる胃腸炎になりましたが、嘔吐と発熱、酸味のある感じの白色便が見られました。頑張ってイオン飲料を飲ませていたことを覚えております。

ロタウイルスの感染期間・潜伏期間

ロタウイルスに感染しても無症状の場合もありますが、便からはウイルスが排出されているため、無症状でも感染力があり、下痢が治ってからも3日以上しないと感染力が残っていることがあります。ロタウイルスの感染力は、下痢の始まる2日前から10日後まではありますので、一度、流行するとなかなか治まるまでに時間がかかってしまいます。

保育園などで流行すると、感染が蔓延するのを防ぐのは難しいと言われています。そのためにも、ワクチン予防が重要になります。

感染から発病までの潜伏期間は1~3日です。

そもそもロタウイルスとは

少し専門的な話となりますが、ロタウイルスは、レオウイルス科のロタウイルス属のウイルスで、RNAをウイルス遺伝子として持っています。車輪をラテン語で「ロタ」と言うのですが、ウイルスを電子顕微鏡で見ると、車輪のような形をしているこからロタウイルスと呼ばれるようになりました。

ロタウイルスは、体から出た環境でも安定し、消毒せずにしていると数週間から数ヶ月間も感染力を持っています。従って、ロタウイルスに感染したものをそのままにしていて何らかの形で口から入ってしまうと、胃腸炎が起きてしまうわけです。

ロタウイルスには、様々な種類があり、A群、B群、C群、D群、E群、F群の6つに分けられます。ヒトに感染するのは、A群、B群、C群の3つです。日本でヒトに感染するロタウイルスのほとんどがA群です。現在、2種類のワクチンがあります。

ロタウイルスは体に侵入すると、小腸で増えて症状を起こします。

ロタウイルスに感染しやすい年齢

生後3カ月までは、母親からもらった抗体と母乳に含まれる抗体という免疫力で感染しにくいですが、生後3カ月から感染を起こしやすいです。また、年齢が小さいほど脱水などになりやすく、重症化する傾向にあります。この情報でワクチン接種時期が決まってきます。

ロタウイルスは、感染者の便の中にあるウイルスが、手などを介して口から入ることで感染します。鼻水や吐物も原因になります。一度ロタウイルスに感染すると、約40%は次にはかかりにくくなりますし、80%程度は発症しにくくなります。

大人もかかることがありますが、問題になるのはやはり子供です。

特に子どもが注意すべきロタウイルスの合併症

ロタウイルスによる胃腸炎は自然に治っていきますが、重症な合併症もあるので、注意が必要です。
  • 高度の脱水による意識障害や脳梗塞
  • 意識障害やけいれんを起こす脳炎・脳症
これらの合併症は、てんかんや発達障害などの後遺症を残します。
また、後遺症を残さない合併症として、
  • けいれんを頻回に起こす
  • ミルクの成分である乳糖を分解できなくなり、下痢が続く乳糖不耐症
があります。

1年間にロタウイルスに感染する人は、世界で1億1400万人、入院する子供は230万人、死亡する人は53万人、その死亡する人の90%以上が発展途上国です。先進国では死亡例は少ないものの、重症な症例、入院による社会生活の制約などが問題になっています。

次のページでロタウイルス胃腸炎の治療と予防について説明します。

更新日:2011年11月22日

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