リーダーたるもの、組織規模によってリーダーのスタイルは異なるもの
任せることは部下と組織の成長に繋がる
例えば、創業から20年が経過し、規模も100名程度になった時期では、今後は組織としての仕組みをきちんと構築していく必要があるので、守り型のリーダーの出番になるわけです。
このように組織が成長していく過程では、突出期・平準期の繰り返しで成長していくのです。突出期は攻めのフェーズ(売上拡大フェーズ)で平準期は守りのフェーズ(コスト削減フェーズ)です。このようなメカニズムを基に、組織設計やリーダーの選出をすることが重要になります。
ドラッカーは「会社の目的は顧客の創造にある。そのために必要な機能はマーケティングとイノベーションである」と言っています。そのためにはクライアントとの対話が必要になります。対話により、的確にニーズを掴み、ニーズをきちんと反映した成果物を出せるかどうかにつきます。
また、その時点での最適解が今のような環境変化が激しい時代において、常にイノベーティブ(革新的)に進化させていくことが重要です。ダーウィンの進化論のように、環境に適応できるものだけが生き残るということです。
リーダーたるもの、部下を信じ、任せなさい
部下に思い切って権限移譲することは部下および組織の成長のためにも必要なことです。但し、なんでもかんでも任せるのではなく、任せる範囲を明確にする必要があります。トップが判断することと現場のリーダーが判断することをきちんと整理しておくことです。自分ごとでは、任して失敗したケースと任さないで失敗したケースを冷静に考えると圧倒的に後者が多いものです。また、任した際でも要所要所できちんとチェック&レビューをすることが重要です。イメージ合わせの作業は適宜行い、イメージに合ったアウトプット・成果物になるようには必要不可欠な基本動作です。
リーダーたるもの、現場の近いところで判断せよ
階層型のピラミッド型の組織をイメージして下さい。三角形の頂点にいるのがトップ、中間に位置するのがミドル、一番下に位置するのが現場の第一線の方々です。その向かい側にクライアント(依頼主やお客様)が存在します。クライアントに近い、つまり、現場に近いところから最も遠いところに位置づけられるのがトップということになります。このような視点でみれば、トップダウンの指示命令スタイルは現場との距離が離れているが故に現状との乖離が生まれやすく、正しい情報が流通せずに、判断を誤るリスクがあります。
官僚的な組織はトップダウンで指示命令系統がわかりやすく、統制が取れるという利点があります。今のような変化が激しい時代では、フラットなネットワーク組織であることが柔軟な対応が取れ、自然の摂理に合っていると言えます。
先に挙げた野田一夫先生がドラッカーと山登りをした際、杖を用いて組織図を円形に描き、その中心にいるのがトップリーダーであることを示されたとのことです。この話を想起したのですが、正に未来の組織構造を予見されていたのかと思います。