/抗生物質

薬の働き(Chapter2.2) 魔法の呪文?抗生物質(4ページ目)

突然ですが、皆様はロールプレイングゲームというジャンルのゲームをした事がありますでしょうか?ゲームの魔法とモンスターの関係って抗生物質と細菌の関係に良く似ているのです。

執筆者:赤堀 一仁

ニューキノロン系
もともとはキノロン骨格という構造上の特徴で分類されていた種類の、新しい製品群で合成抗菌薬(*2)です。様々な種類の菌に対して効果を示し、その抗菌力も優れているのが特徴です。また、抗菌活性を持ったまま排泄されるので、泌尿器系の感染症にも効果を示す事が多いです。~ロキサシンという名前が付けられ、オフロキサシンが有名でしたが薬の飲み合わせの問題が指摘され新しい種類に変わりつつあります。

*1:抗生物質-生物によって合成されるものが起源となった物質、他の細胞増殖を妨害する働きをもつものをこのように分類されています。

*2:合成抗菌薬-化学的に合成、抽出がなされたもので抗生物質とは分けて考えられています。
この二つはどちらも病原性の細胞増殖を抑制する働きをもち、化学療法剤という種類に入ります。

抗生物質は抗菌力が強いのが良いのではなく、目的に合わせた最も弱いものがよいのです。ゲームの魔法も同じですね、無駄にエネルギーを使わないようにそのモンスターの特性とレベルに合わせた最も効率のよいものを選ぶのですが、薬だっておんなじです。副作用などの身体への負担がないように必要に応じた種類を選ぶ必要があるのです。それに耐性菌の発生阻止なども理由に挙げられるからです。

とはいうものの結局!
病原性細菌の感染については清潔を心がけ、栄養や睡眠を充分取って免疫力の低下を防ぎ、少しぐらいの感染では広がらないように、またなってしまったら体調の変化を敏感に察知して早めに対応する事が大切です。これからは風邪がはやる季節です。皆様も注意してお過ごしください。

参考文献:治療薬マニュアル2001(医学書院)

関連サイト
抗菌薬インターネットブック
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます