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抗酸化作用とは?「活性酸素」の発生原因と食事対策

最近話題のポリフェノール、リコピン、カテキンなどの物質には『抗酸化作用』という一つのキーワードがあります。今回は簡単に『抗酸化作用』についてご説明します!

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

『抗酸化作用』という言葉を最近良く聞きます。『なんとなく体に良さそうなイメージはあるけれど、何のことだか実はよくわからない・・・』という方、意外と多くいらっしゃるのではないでしょうか?

実は最近話題のポリフェノール、リコピン、βカロチン、カテキン、コエンザイムQ10などの物質には『抗酸化作用』という一つのキーワードが隠されているのです。そこで今回は簡単に『活性酸素』『抗酸化作用』についてご説明します!
 

活性酸素とは? エネルギーの有り余っている酸素

活性酸素はエネルギーの有り余っている酸素のこと
活性酸素はエネルギーの有り余っている酸素のこと
まず抗酸化作用を理解するために抑えておかないといけないのが『活性酸素』という言葉。皆さんコレ、なんのことかご存知ですか?

活性酸素は、一言でいうと『エネルギーの有り余っている酸素』。普通の酸素と比べて、モノを酸化する力が非常に強い酸素です。(酸化は、皮をむいたりんごが茶色くなったり、鉄がさびたりする反応を思い浮かべていただければいいと思います)。

普通に生きているだけでも、呼吸して体に取り入れた酸素の約2%くらいが活性酸素になるといわれています。また、紫外線を浴びたり、激しい運動をしたときも活性酸素が増加します。(ちなみに一言に活性酸素といっても、いろいろな種類があることが知られています。例えば紫外線を浴びてできる活性酸素は呼吸で普通にできる活性酸素とはちょっと違ったりします。)
 

活性酵素の過剰摂取はガンや生活習慣病の原因に…

常に悪者のように言われる活性酸素ですが、実は体にとっては悪い作用だけではないのです。

体内の酵素反応を促進させたり、強力な殺菌作用でばい菌を殺して病気になるのを防いでくれたりと、体にとって大切な作用も持っています。傷の消毒に使うオキシドールはご存知ですよね。あれは過酸化水素という活性酸素の一種で、その殺菌力を利用したものです。

ところが・・・活性酸素は多すぎると、私たちの体内で自分の体の細胞を攻撃してしまうのです!DNA(遺伝子)を直接傷つければガンを引き起こす可能性が上がりますし、脂質を酸化させれば、あたかも『さび』たような状態を体内に作ることになります。イメージとしては、水道管の内側にさびが一杯たまってしまった状態でしょうか。

血管を水のホース、血液をその中を流れる水のようなものと想像していただくと、ホースのなかにさびが一杯たまってしまったら、なんとなくホースが固くなったり(=動脈硬化)、水が詰まりやすくなったりする(=例えば脳の血管が詰まれば脳梗塞、心臓を栄養する血管が詰まれば心筋梗塞など)、水が流れにくくなる(=高血圧の原因)ことがご理解いただけるのではないでしょうか?

また紫外線によるお肌のシミなども活性酸素が関わっていることが知られています。活性酸素は体の中から老化を進行させてしまうのですね。
 

活性酸素に対抗する方法1:生活習慣から改善する

現代の生活は、大気汚染、紫外線の増加、ストレス、喫煙習慣、食品添加物の増加など、今までより活性酸素を増やす原因が増えていると言われています。

そもそも、私達の体内では活性酸素の働きを抑える仕組みがあります。ところが、活性酸素の量が多すぎたり、お年をとるにしたがって、だんだんその仕組みが上手く働かなくなり、活性酸素に抵抗できなくなってしまうのです。

では、それに対抗するにはどうすればいいでしょうか?まず、簡単に言うと活性酸素を増やす要因を減らすこと!例えば紫外線、喫煙、ストレス、激しい運動、大気汚染、食品添加物の摂りすぎなどを避けるようにしましょう。

たとえば、外出する時には紫外線防止作用のある日焼け止めを塗る、帽子をかぶる、交通量の多い道路を歩かないようにする、禁煙する、激しい運動をしすぎないようにするなどに気をつけて下さいね。

 

活性酸素に対抗する方法2:食事から抗酸化物質を摂る!

食事から活性酸素に対抗する!
食事から活性酸素に対抗する!
活性酸素の攻撃をブロックする性質を持つものを『抗酸化物質』といい、これは食事から摂取することが可能です。

抗酸化物質は体内でも産生されますが、20代をピークにして低下してしまうのです。ですから、体外から野菜、フルーツなどで抗酸化物質を摂取することがオススメです。

有名なものとしてはビタミンC、ビタミンE、カロチノイド(βカロチン、βクリプトキサンチン、リコピンなど)ポリフェノール類(フラボノイド、カテキン、イソフラボン、アントシアニン)、ゴマリグナンなどがあります。・・・こう見てみると最近話題の成分ばかりですよね。

 

抗酸化物質:ポリフェノール、カロチノイド、ゴマリグナンなど

こう見てみると、最近話題の物質ばかりですね。ブレークした補酵素のコエンザイムQ10(CoQ10)、αリポ酸(アルファリポ酸)も抗酸化作用があります。

・ポリフェノール
ワイン、チョコレート、ぶどうなどに多く含まれます。『フランスで心臓病の死亡率が低い理由は、赤ワインの消費量が多いから』という有名な仮説があるくらい、その抗酸化作用が注目されている物質です。

お茶のカテキン、大豆のイソフラボン、ブルーベリーのアントシアニンもポリフェノールの一種です。

・カロチノイド
βカロチン、リコピン、βクリプトキサンチンなどです。β-カロテン」はにんじんやパセリ、ほうれん草などに多く含まれます。リコピンはトマトの赤い色素に含まれる成分で、最近話題ですよね。新しいところでは、βクリプトキサンチンは日本のうんしゅうみかんに多く含まれている物質です。カボチャや柿にも含まれます。

・ハーブ類
1990年、アメリカの国立がん研究所が、疫学的なデータをもとにがん予防に効果のある食品をピラミッドの表にまとめました。これらの食べ物は「デザイナーフーズ」と言われていますが、その多くに抗酸化作用があることが知られています。

ブロッコリーやハーブなどが有名なデザイナーズフードです。

・ゴマリグナン
ゴマに含まれる物質です。『セサミン』というのはゴマリグナンの一種です。

活性酸素は一種類ではないので、抗酸化物質はいろいろな種類のものを組み合わせて摂取するのが理想的です。フルーツや緑黄色野菜をバランスよく摂りましょう!


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