大学生の就職活動/就職活動での業界・企業研究

就職活動 会社選びのキホン(3ページ目)

業種や知名度だけで会社選びをしちゃダメだ。一定期間、その会社の社員と一緒に働き、その会社の商品を取り扱いうことができるのか。会社という環境を活用して、自らが成長できるのかという視点が大切なのだ。

執筆者:見舘 好隆

拡大モードの会社チェックポイント

会社選び
自らが気持ちよく努力できる会社という基準で、エントリーしてみよう。
いわゆるベンチャー企業や、どんどん店舗展開や企業買収をしている企業など、拡大モードの会社のチェックポイントはどこだろうか。同じく小笹芳央さんが『会社の品格』の中で述べている、「組織の品格」を脅かす症状を用いて考えてみよう。



  1. カリスマ創業者への依存
    創業者の影響が強すぎる会社。私の経験上、カリスマ創業者が維持できる会社規模は200人ぐらいだと思う。それを越えると、創業者と同じぐらいの発言力を持つNO.2、NO.3が育っていかないと新しい局面に創業者が対峙したとき、舵取りを間違ったらそれでアウトになってしまう。会社は人の集まり。それぞれの社員がカリスマの顔を伺っている会社は、柔軟性やアダプタリティ(予測できない状況に対処する力)も劣ると考えてみよう。
     
  2. 戦闘の疲弊感
    ライバル会社と戦うことや、売上を上げることに意識が集中している会社は、逆に顧客を軽視しがちである。数字を伸ばすことで長時間労働を強いられていたとするなら、それは果たして自らの成長への投資としてふさわしいのか、考えてみる価値はある。
     
  3. マネジメントの不全
    創業し、成長し続ける会社にありがちな、組織の管理機能や人材育成が整っていない状態。よく店舗展開を急激に進めたサービス業でよく見る。店長の育成無しにお店を増やせば、当然サービスの質は劣り、顧客からの信頼は下がる。成長と組織、人材育成が伴っているのか、チェックしてみよう。
     
  4. 視野の狭窄
    「スピード!」を社訓や会社理念に掲げている会社は非常に多い。もちろんこの時代、市場のニーズにすぐに対応することが大切であり、今までのようにじっくりと開発を進めていくだけではダメなのは分かる。しかし、それは目先の短期目標の達成だけに目が行き、将来の新しいビジネスの目を摘むことも意味する。特にV字回復を目指した企業(日産自動車、リクルート、ソニーなど)は、当然利益確保が至上命題となり、コスト削減のため研究開発など利益が出ない部署を縮小した結果、新しいビジネスをインキュベーションする力も削いでしまった(もちろん、各社はそれに気づいていて、例えばリクルートは最近新サービスをどんどん打ち出している)。短期目標と長期目標をバランスよく立て、儲かっていなくても次の成長のために投資をしているかどうかも、チェックしてみよう。

単にその企業の業種や、現在のシェア、知名度など、見た目だけに縛られず、「会社の品格」を持った会社を選ぶ視点を持とう。君とその会社の「価値観」が一緒なら、君が君自身に嘘をつかなくても働くことが出来る。結果、君は成長することが出来るだろう。

会社が君を育ててくれるのではない。一定期間、その会社の社員と一緒に働き、その会社の商品を取り扱いうことができるのか。つまり、その会社という環境を活用して、自らが成長できるのかという視点が、大切なのだ。
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