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「資本金」ってそもそも何?会社の価値を判断できる?

会社の価値を判断するとき、注目すべきポイントのひとつとして挙げられることの多い「資本金」。「資本金が多いから、どうやらこの会社は安心だな」というのは正しいのでしょうか?そもそも資本金とは何かということから解説します。

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資本金とは?

資本金とは何?解説します

資本金とは何?解説します

新規事業の立ち上げでお金が必要となったときなどに、会社がお金を調達する方法には大きく分けて3種類があります。

一つは内部留保です。簡単にいいますと、それまで上げてきた利益などを積みあげて、貯まったお金のことです。もう一つは金融機関からの借入金、そして最後が投資家から出資を募集(これを増資といいます。)することです。

ここでは内部留保は使わず、新たに外部から資金を調達すると仮定しましょう。そうなると、使える手段は借入または増資です。

借入で調達すれば、借入金として負債の部に計上され、増資で調達すれば資本金となります。このように、資本金とは、会社の資金調達を増資で行った場合に、受けた出資の金額の合計額のことをいいます。(厳密にいえば、一部のお金は資本準備金という別の項目とすることもできますが、話が複雑になるので、全て資本金に計上することにします。)

ちなみに、創業時は、他者から出資を受けるのはハードルが高いので、多くの場合は自分で自分の会社に出資します。そのため、会社を設立した際の最初の資本金は、自己資金で始まるケースがほとんどです。

資本金で会社の価値は判断できる?

先ほど書いたように、資本金は、過去に出資を受けた額の合計額です。ここで重要なことは、資本金の額は、その後の会社の業績とは切り離されて、金額が固定されるということです。つまり、会社が新規事業からどれだけ利益を上げても、資本金の額は変わらないのです。

簡単な例を挙げてみましょう。トヨタ自動車の資本金は2015年現在で、約4000億円です。相当な金額に見えますが、トヨタ自動車の利益(売上ではありません。)が年間1兆円という数字であり、今後も利益を上げ続けることを考えると、会社の価値が4000億円のわけがないということは誰でもわかります。

このように資本金はあくまで出資を受けた元手であり、その後その出資を利用して生み出した価値の増加(もし新規事業が失敗して、赤字となれば減少)を反映していないのです。もっといえば、資本金の額だけを見て、会社の価値を判断することは危険ですらあります。極端な例ですが、上場廃止となったスカイマークの資本金は約140億円でしたが、最後は株も無価値となりました。

このことから分かるように、単純に資本金の額で会社の価値は判断できないことが分かります。

会社の価値はどうやって判断する?

まずは、そもそも会社の価値とはなんでしょうか。

考える観点によって、顧客満足度や従業員満足度、社会貢献度などいろいろな尺度がありますが、お金の観点からは、将来どの程度の利益を上げられるかという基準で測ります。会社は継続していくことが前提である以上、将来に目を向けて価値を測るのは当然といえます。

それまでどれだけ良い業績を積み上げてきても、次の年に例えば国の政策転換や顧客嗜好の変化などで一気に業績の悪化が見込まれる会社があるとしたら、その会社の価値は低いものとなります。逆に、その会社がその後数年にわたって業績を伸ばしていけば、当初集めた資本金の何倍もの価値をもつことになるのです。

実際には、将来の利益は、プロのアナリストが経済政策や企業の経営方針など様々な情報を駆使してようやく算出できるもので、その数字も必ずしも当たるとは限りません。このように、会社の価値を厳密に計算すること自体相当困難ですが、会社の価値の増加、もしくは減少の方向性を見極められることだけでも相当なスキルが要求されます。基本的に株価は会社の価値を表しますので、もし会社の価値の方向性をある程度正確に予測できれば、投資でもかなり優位に立つことができます。

会社の価値は、資本金のような見かけの数字ではなく、もっと会社の事業展開や政策を理解しないと分からない深いものなのです。


更新日:2015年05月08日

(公開日:2006年08月22日)

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