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一般大生が介護業界を目指すなら(3ページ目)

福祉系でない一般大学の学生が介護業界を目指すなら、どういう心構えでどういう動き方をすればいいのか。中央福祉人材センターの渋谷篤男さんに伺いました。

執筆者:宮下 公美子

【就職活動は、いつごろから始めたらいいのでしょうか?】

「うーん、これがなかなか難しいんです。というのは、介護業界というのは、計画採用が少ないし、4月1日採用の募集開始が遅いんですよ。つまり欠員補充が中心。福祉人材センターに来る4月1日採用の求人のうち、50%は採用決定が1月以降で、そのうちのさらに50%は、なんと3月に決まっているんです。

 一般大学の場合、多くの学生が3年生の時に就職活動をするわけですよね。そんな中で、自分だけが卒業の直前まで就職が決まらない、というのはたいへんなプレッシャーだと思います。福祉系の学生でも、待ちきれなくて一般企業に就職してしまうケースもあるんですよ。

 学生の場合、1年で一番新規求職者が多い(=就職活動開始時期)のは、8月の4750件、次が7月の3842件。それから6月、5月、4月と続きます。ただしそれがそのまま採用決定の時期というわけではありません。就職人数で見ると、1年で一番多いのは、3月の2492件で、次いで2月の1303件。3番目は10月の1245件ですが、4番目は12月の1029件、5番目は2月の1021件と、やはり年度末が多いんです。

 4月1日採用を職種別で見ると、採用決定時期は、介護職の33.9%が3月で、16.0%が2月。相談員になると、41.6%が3月で、20.4%が2月ですから、介護職以上に遅いですね」

【なるほど、学校が就職の指導をして、そのあたりの情報提供をしてくれる福祉系の学生に比べると、何の情報も、情報源も持たない一般大学の学生は、こうした現実をしっかり認識したうえで、介護業界を目指したほうがいいですね】

「そうですね。もちろん、4月1日採用の求人が、前年の4月、5月などの早い時期にまったくないわけではないですし、福祉人材センターは急な欠員に伴う求人が多く、福祉分野全体の動きよりやや遅い傾向もあります。そういったことも含めて、いろいろ相談に乗れることもあると思いますから、早い時期に一度、近くの福祉人材センターに来所されるといいのではないでしょうか」

【たいへん参考になるお話をありがとうございました】

※渋谷さんの回答に出てくるデータはすべて「平成13年度 福祉分野の求人求職動向」(福祉人材センター・バンク 職業紹介実績/社会福祉法人 全国社会福祉協議会 中央福祉人材センター)。

※「学生の場合」「4月1日採用では」とあるデータ以外は、4月1日採用を含む、福祉人材センターに寄せられた全新規求人についてのデータ。

※4月1日採用とは、平成14年4月1日に雇用開始になるということで、必ずしも新卒学生を対象とした求人ではない。しかし、福祉人材センター・バンクが紹介する求人の中で、新卒者に対する紹介が行える求人として、データがまとめられている。
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