介護・福祉業界で働く・転職する/介護・福祉業界の仕事

言語聴覚士ってどんな仕事?どうしたらなれる?(2ページ目)

1997年にできた国家資格「言語聴覚士」。どんな仕事内容で、どんな活躍の場があり、どうすればなれるかを紹介します。

井上 ルミ子

執筆者:井上 ルミ子

介護・福祉業界で働く・転職するガイド

活躍の場は?

仕事風景

チームワークで仕事

リハビリテーション科や耳鼻咽喉科を中心とした病院・診療所や大学病院の口腔外科などが主な勤務先です。また病院内では、NST(栄養サポートチーム)という医療チームの活躍が注目されており、医師、管理栄養士、薬剤師、看護師、臨床検査技師、言語聴覚士などさまざまな医療スタッフがチームを組み栄養改善に取り組みます。

子供を対象とした場合は、難聴幼児通園施設・聴覚言語障害者更生施設、重症心身障害児施設を中心とした社会福祉施設、保健所などがあげられます。小中学校の「言葉の教室」(難聴学級)など教育機関でも活躍の場が広がっています。また言葉教育や発達障害を対象に訪問事業を独立開業することも可能です。

介護分野では、入居してリハビリを受ける介護老人保健施設や通いながらリハビリを受けるデイケア(通所リハビリ)をメインに、その他の介護事業所においても言語聴覚士の採用が増えています。

求人動向は?

履歴書を持った女性

資格をとって新しい道へ

今や言語聴覚士は安定した就職率が見込める資格と言えるでしょう。日本言語聴覚士協会の調査では2012年で約2万人の言語聴覚士が仕事に従事しており、資格取得者の80%以上がなんらかの形で就業していることになります。養成校などに寄せられる求人数は、学生1人あたり10カ所を超えるところもあるとか。世の中の動向からも、今後活躍の場はますます広がりを見せるでしょう。

資格取得者の男女比としては、男性約2割:女性約8割となっています。年齢制限が無いため結婚や妊娠で退職しても復職が比較的しやすいこと、夜勤がないことなどの特徴から女性の比率が多くなっていると思われますが、仕事内容としては男女を問いません。

雇用体系や処遇としては、フル勤務が可能な場合は正社員枠も多く月額20~30万円、しばらくはパートでという人も時給1300~1800円が相場のようです。

ただし発達障害など希望が多い就職先の求人はすぐにいっぱいになるため、やはり勤務場所や仕事内容を選ぶなら気は抜けません。

どうしたらなれる?

専門の学校や大学を卒業後、受験資格を取得し合格することで言語聴覚士の資格を取得できます。
●最終学歴が高校
1厚生労働大臣が指定する言語聴覚士養成所で3年以上修業した者
2文部科学大臣が指定する大学(4年制、3年制短大)で修業した者

●最終学歴が一般大学
3 専修大学(2年制)で修業した者

●外国
外国の大学などで言語聴覚士に関する学業を修めた場合は、厚生労働大臣が審査し認定した者

最短のコースは、高校卒業後に国が指定した養成校へ進学するコースです。
その場合、学費は3年間で350~450万円ほどかかります。


言語聴覚士の仕事についての大枠を説明させて頂きました。人と人が交わる上で原点となる「コミュニケーション」を支える仕事として、今後ますます必要とされる職種となっていくでしょう。
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