女性の転職/女性の仕事カタログ

カメレオンな人が向いてる?!ライターとは(3ページ目)

ライターと一言でいえども、フリーから、どこかの企業に所属をするライターまで、働くスタイルはさまざま。今回は、金融関係の仕事に就いたあと、フリーライターの道を歩んでこられた女性にお話を伺いました。

執筆者:三輪 貴子

覚悟をしておいたほうがいいこと ~ライターの地位~

出版業界は不況ですが、なくなることはないと思うので、きちんと仕事ができる人であれば続けていけると思います。また、結婚・出産・離婚など、立場がかわっても、その視点を活かせる仕事でもあるので、復職したい人にも入りやすい仕事なのかもしれませんね。フードライターをしていた私の先輩は、結婚後ご主人とともに飲食店を切り盛りされている傍ら、飲食店料理スタッフとして、現役時代に記者をしていた雑誌にコラムを書いていらっしゃいます。出版社もその方を手放したくなかったから続けてくれ、というお話にもなるのでしょう。月に1本ぐらいのゆるやかなペースであれば、家事などをしながらでも臨機応変に続けていけると思います。

また、ライターとしての地位は、まだまだ低いと思います。雑誌の制作は、編集者が企画を立て、ライターはそのとおりに進める、という流れに添って進められます。そのため、出版社・編集者の方が上、ライターは下請けというイメージがあること。それは作業の流れであって、上下関係ではないはずですが、その点を誤解している編集者さんにあたると、しいたげられたような気持ちになり、安い報酬で請け負い、その結果「そんなことをしたかったわけじゃないのに」と愚痴るようになる。あくまでも、ナイスパートナー、グッドコンビネーションとお互いに思い、気持ちよく働ける編集部が今以上に増えれば、ライターの地位向上につながるのではないかな。社会的に見ても、クレジットカードがつくれないとか、家を借りることが難しいなど、フリーのライターは信用力がない。その点は、覚悟しておいたほうがいいですね。

取材をされる側になってわかること ~うれしいこと・つらいこと


この仕事をしていてうれしいことは、いろいろなところへいき、いろいろな人に会えること。「いつも読んでいます」と言ってもらえること。そして、独立・起業された方を取材させていただいて、自分が記事を書いた人が成功していくこと。すでに有名になっている方に会うのではなく、誰も知らないときにお会いして、がんばっている様子を見ながら、この記事が応援になればと思い取材をしています。その実例を見て、次の人が芽吹いていくのだと思うとうれしいですね。「あの記事のおかげで独立をしました」なんて言葉を聞くと小躍りしてしまいます。(笑)その反面、仕事をする中で、小さな失敗もよくあります。だいたい、相手のことを知らずに行ったときに起ります。トンチンカンな質問をしてしまったり、ご機嫌を損ねてしまったり。その場その場が勝負なので、今は書く時間以上に、準備に時間を割いています。

ビジネス系の記事を書く仕事をはじめてから、立派な人に会ったときは落ち込むこともあります。勉強になるお話しを伺った喜びと、こんなに立派な人がいるのに、私って・・・、と自分の小ささを感じてしまい、悩んでいた時期もありました。今こうやって自分が取材をされる側になったころから、取材される人もがんばって話そうとしていることがわかるようになってきました。精一杯話をしてくれているのだから、いい話に決まっていますよね。今では、その方はその方、私は私。いいお話をありがとうございました、と思えるようになりました。

2001年に、好きなことで飯を食う会「すきめし」を立ち上げました。取材で出会い、原稿をチェックしてもらって、はいさようなら、ではいけないのではないかということ、そしてその会に新しい方が入り、そこからまたステキな人が創出できればいいなと思い、毎月1回の勉強会を継続しています。いまでは、「すきめし」の服部さんが取材に来てくれるなら取材を受けます、とおっしゃってくれる方もいらっしゃいます。自分のブランド力としても大成功だったな、と思っています。

これからも、今がんばっている方のお話を伺い、それを世に出し、多くの方の励みにしていただけるような仕事、活動を続けていきたいと思っています。


【編集後記】
今回の記事スペースには載せきれないほど、充実したお話をたくさん語ってくださった服部さん。「好きなことを仕事にする」その厳しさや、そこから得られる充実感が、お話くださったときの表情や口調からも強く感じることができました。服部さんがインタビューでもおっしゃっていた、「営業」については、11/10配信のメールマガジンのコラムでも取り上げます。メールマガジンも、あわせてご覧ください。
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