土地購入/土地購入関連情報

最新システムを賢く利用すれば土地選びの幅が広がる 長く暮らせる家は北向きに限る?

理想的な土地をみつけるのはなかなか難しいもの。土地は南向きでなければと、考えている方は、ぜひ、この記事を読んでからにしてください。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

家を建てるには、あたりまえのことですが、土地が必要です。ですが、この「土地選び」、ナカナカ難しいもののようです。自由に考えられる住宅のプランニングひとつとっても、あれこれ迷って大変なのですが、現状あるものから選ばなければならない土地選びはなおさらです。資金面の制約があるのはもちろんですが、広さや形、向き、地盤など、なかなか自分の理想そのものという土地を見つけるのは、至難のワザ。では、長く快適に暮らせる家を建てるための土地は、どうやって見つければよいのでしょう?

0198.jpg
長く快適に暮らせる家を手に入れるためには、土地選びは重要なのですが・・・

家を建てるなら南向き?

家や土地を評価する場合、人気があるのは「南向き」です。太陽光がサンサンと降り注ぐ南に向けて大きな開口部をとり、光と風をたくさん取り入れることができる「南向き」は、確かに、住宅のひとつの理想形かもしれません。この「南向き」は昔から高評価で、一戸建てにとどまらず、マンションなどでももてはやされています。

しかし、土地が広々ととれる郊外ならいざ知らず、都市部では、理想通りの「南向き」の家が建てられる土地に巡り合うことは難しいでしょう。仮に「南向き」の土地が見つかったとしても、住宅が密集していて、窓の数10センチ先は隣家などということにもなりかねません。無理に南面に開口や庭をとろうとして、ほかの部分のプランニングにしわ寄せがきてしまっては、長く快適に暮らせる家とはほど遠いものとなってしまいます。

さて、この「南向き」、本当に理想形なのでしょうか?

南向きは是か?

確かに、光をたくさん取り入れられることは、さまざまなメリットを生むでしょう。単に明るいだけでも、開放的な気分になりますし、照明などの光熱費も安く済みます。洗濯物を乾かしたり、布団を干すのにもメリットがありそうです。

反面、光の害が気になります。光がたくさん入るということは、それだけデメリットも多いと考えられます。たとえば、光が強いと、複層ガラスや断熱サッシを採用した高気密・高断熱住宅でない限り、室温の上昇は免れません。エアコンなどを過度に使用することで、電気代が上昇し、家計にも影響を与えます。長期間で考えると、フローリーングや壁紙、建具、家具、カーテンなどの退色もあげられるでしょう。これらは、リフォームの時期を早めるなど、予想外の出費を生む要因にもなります。さらに、光がたくさん入るということは、それだけ外から中をのぞかれる可能性があるということですから、プライバシーや防犯にも配慮しなければならなくなり、その対策には、やはり費用がかかります。また、エアコンの効率を上げるためや、プライバシー、防犯を考えるあまり、常時カーテンや窓を締め切っていては、何のための「南向き」かわからなくなります。

私が、この「南向き神話」に疑いをもったのは、ある建物を見たからでした。それについては次ページで…。

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます