土地購入関連情報

更新日:2002年11月07日

地名に隠されたメッセージ

旧地名の字(あざ)には、災害を回避するための情報が含まれているのをご存知ですか?その概略と、旧地名の調べ方を解説します。

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市兵衛町、今井町、榎坂町、材木町、箪笥町、仲ノ町、日ケ窪町、三河台町、宮村町、竜土町と聞いて、皆さんはどこを思い浮かべますか? これに鳥居坂町、霞町、飯倉片町を加えれば、連想のはたらく方も多いハズ。さらに六本木町を加えれば間違いないですね。そう、これらはみな現在の港区六本木一丁目から七丁目にあった旧地名 (当時は麻布区) です。

昔の地名を調べてみると面白いもので、明治維新以降さまざまな変遷を辿っていることがわかります。ちょっと奇異に感じるところでは、明治2年の 「番組制」 、明治4年の 「大区小区制」、明治6年の大区小区の改編とめまぐるしい改正を経て、明治11年に15区6郡による現在の23区の原型ができ上がっています。

「番組制」 では、地名として 「東京三十番組」 「東京三十九番組」 などと表され、 「大区小区制」 では 「第五大区七小区」 「第六大区十六小区」 などと表されました。数字ばかりの住所では何だか味気ないですね。

それはさておき、試しに All About の会社がある渋谷区東三丁目
あたりの旧地名を調べてみると、 「豊多摩郡澁谷町大字下澁谷字居村」 となっています。この場合の大字 (おおあざ) が現在の町名 (○○×丁目) に該当し、字 (あざ) に該当するものは現在の住居表示にはありません。
) 2004年に渋谷区恵比寿一丁目へ移転しています。


私自身もときどき土地の売買にあたり物件の旧地名を調べることがありますが、決して 「趣味のため」 だけや 「暇だから」 調べているわけではありません。実は現在使われることのない、この 「字 (あざ) 」 の中に重要な情報が含まれている場合があるのです。


旧地名の中の要注意文字

宅地開発の進んだ現代では状況が一変しているケースもありますが、 「字 (あざ) 」 (小字) は、自然災害や地質、土壌などに由来したものが多く、危険を避けるための知恵として古くから伝えられた地名のこともあります。ただし、伝えられる途中で読みが変わってしまったり、当て字で別の意味合いを持つようになってしまった例もあるので注意が必要です。

例えば、水気の多い湿地では 「フケ」 (沮決・泓・深) 、起伏のあるエリア内の低湿地では 「ヤチ」 (谷地・谷津) 、河川の支流に沿った低地では 「エダ」 (江田・枝) などといった具合です。また、地すべりや山崩れを起こしたことの土地には、ガレクエヌケホキハガカキサルツエなど。河川の氾濫や堤防の決壊などの水害に見舞われた土地には、オシキリママカケカワウチアクツなどの文字が様々な漢字を当てて表記されています。

「大字」 は比較的広い範囲ですから、その中に要注意文字があったとしても、個々の土地には当てはまらないことが多くあります。その一方で 「小字」 はピンポイントでの土地情報を含んでいることが多いのです。つまり 「字」 が無視された現在の地名で考えても全く意味はありません。 「自由が丘」 や 「美しが丘」 だから大丈夫なんて即断はいけません!

要注意文字はその数も多く、この場でご紹介してもページ数ばかり増えてしまうので省略させていただきます。地名に関する書籍は多いので、ご興味のある方は一度確認されるとよいでしょう。また、地盤調査などを専門にする株式会社ジオテックのホームページなどでも細かな情報が公開されています。

ジオテック株式会社 「地盤の良否は地名からもわかります」
神奈川レスキューサポートバイクネットワーク 「地名に学ぶ自然災害の予知」

なお、 「字」 (小字) 自体はもともとほとんどの土地に付けられていたものであり、 「字が付いている土地は危険」 などと勘違いしてはいけません。


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平野 雅之

不動産取引実務に精通する専門家が、不動産売買で失敗しないノウハウを分かりやすくアドバイスします。

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