土地活用のノウハウ/土地活用の相続・法律問題

親族間の幸せな相続(2ページ目)

一度歯車がくるってしまうと修復が困難である親族間での相続問題。賃貸マンションをめぐる、名義の共有問題トラブルを事例に、幸せな相続とは何か?について考えてみましょう。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

遺言による幸せな相続


幸せな相続
先日、86歳になるオーナーさんから相続対策のための有効活用の相談を受けました。

先ずは現状どのくらいの相続税を見込まなくてはいけないかを算定したところ、約3,000万円と試算されました。駐車場にしている土地の相続税評価額が、思いのほか高額でした。

昨今の若年層の自動車離れによる稼働率の低下と、更地評価による固定資産税負担の増加により、この土地からの収益も、あまり上がっていませんでした。

しかしアパートを建設すると、相続税は約500万円に圧縮でき、また賃貸経営が順調であればローン返済後の利益が現状の約3倍になることがわかりました。さらに固定資産税の減免効果もあることから、オーナーさんはご高齢ながらも、建設に踏み切ることになりました。

オーナーさんの年齢を考えると大英断です。

竣工が間近となり、サブリース契約も無事終わったところで、オーナーさんから妻と3人の子供への遺言を残したいとの相談を受けました。

遺言書は専門家と希望要件をヒアリングしながら作成しました。その内容は、単にどの不動産を誰に分けるのかだけではなく、奥さんとの懐かしい思い出と感謝の気持ち、子供たちへの優しい言葉がちりばめられました。

それは私の促しもあっての文章でした。当初オーナーさんは「恥ずかしい」と、ためらっておられましたが、「それでは気持ちをしたためるのは、やめましょうか?」と水を向けたところ「いや、感謝の気持ちを残したい」とおっしゃり、内心は大変喜ばれていたのでした。

奥さんへの今後の介護の考え方などもしっかり述べられて、晴れて公正証書遺言の作成になりました。オーナーさんが築き上げてきた不動産への想いや、次世代が管理などに困らないように注意点などもしたためられた、10ページほどの内容です。

遺産の分割案は、子供たちの生活状況や仕事内容や家族構成、お母様の今後のサポートなどを充分考慮したものになりました。おそらく、相続人たちは全員が納得し、もめるようなことにはならないでしょう。

参考 公正証書遺言作成の公証人手数料


公正証書作成費用

「幸せな遺言」のありかたを間近で見た事例です。そのオーナーさんは建物竣工後も、今もお元気で、ご家族と幸せに暮らしておられます。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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