外壁材は、住まいの印象を左右し、周辺の街並みにも影響を与えるもの。もちろん、風雨や雪、火災、紫外線などから建物を守り、住まいの寿命にも関わる重要な建材なので、耐候性や耐水性、耐火性、耐久性などに充分な配慮が必要です。

一戸建てに用いられる外壁材はさまざまな種類がありますが、ここでは、新築やリフォームの際に知っておきたい外壁材の基礎知識をまとめました。

一般的な住宅に多く用いられているサイディング

一般的な戸建住宅に用いられる主な外壁材は、サイディング(ボード)、モルタル・塗壁、タイル、ALCなどがあります。現在、多く用いられているのはサイディング。分譲住宅はもとより、ハウスメーカーや工務店の企画型商品の標準仕様となっていること、商品バリエーションが豊富なこと、施工性が高いことなどが理由でしょう。

また、外壁材は施工方法によって、乾式工法と湿式工法に分類できます。乾式工法は、釘やネジ、ボルトなどで取り付けるもの。湿式工法は左官工事、コンクリートを用いるなど水分を使う工法のこと。一般的に、乾式工法は、湿式工法に比べ工期が短く施工性が高いため、乾式工法(サイディングなど)を用いるケースが多くなっています。一方、味わいのある仕上げが多くみられるのは湿式工法といえるでしょう。

主な外壁材の種類と特徴

■サイディング  窯業系、金属系、木質系、樹脂系などがある
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ランダムな石積柄を表現した光触媒コーティングを施したサイディング。 [ネオロック・光セラ16 セラトピア グランガル]   
ケイミュー

工場生産されたボード状の建材であるサイディングは、耐火性や耐久性などに優れている外装材です。工場生産のため品質が均一で、比較的低価格な商品から性能を高めた高価な商品まで、バリエーションが豊富なのが特徴でしょう。下地の合板に打ちつけていくだけと、施工性が高いのも魅力です。

サイディングは、窯業系、金属系、木質系、樹脂系などに分類することができます。窯業系サイディングは、セメントなどを原料とし、繊維質原料を加え成型し板状としたもの。金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板、アルミニウム合金板などを表面材とし、裏面材や芯材で構成された建材。木質系サイディングは、天然木などを塗装したもの、樹脂系は塩化ビニル樹脂が主な素材です。

多く用いられている窯業系や金属系などには、多彩な表面デザインがみられ、石積調やタイル調、木目調などが揃っています。また、表面の塗装などに工夫を施して、汚れにくく、メンテナンスを楽にしたタイプ、既存の外壁の上に貼り付けることができるリフォーム向けの商品などもみられます。

■モルタル・塗壁  素材や仕上げによってさまざまな表情が生まれる
仕上げ方によってもイメージ異なる自然素材の外壁。独特の風合いが魅力

仕上げ方によってもイメージ異なる自然素材の外壁。独特の風合いが魅力

モルタル(吹付仕上げ塗材)は、セメントと砂、混和材を混ぜ、水を加えて練ったモルタルを下地に樹脂系の素材などを塗装とする方法。仕上げは、樹脂系の素材を吹き付けたり、コテやローラーなどで多様な模様を施したものがみられます。仕上げの方法によってさまざまな表情が生まれるのが大きな魅力でしょう。

また、最近は健康住宅への関心の高まりや環境への配慮から、漆喰や土壁など自然素材の塗壁も注目されています。漆喰は、消石灰を主材料としたもの。吸放湿性能が優れ、カビや細菌も発生しにくい素材です。自由な形状に対応できるので、曲面や凸凹なデザインの外壁でも用いることができます。

■タイル  色落ちや劣化の心配も少なく、メンテナンスが楽
焼きものが醸し出す風合いが特徴。経年により味わいも深くなる。[HALPLUSシリーズ 陶炎(とうえん) ボーダーネット張り(馬踏目地)]undefinedLIXILundefined http://www.lixil.co.jp/

焼きものが醸し出す風合いが特徴。経年により味わいも深くなる。[HALPLUSシリーズ 陶炎(とうえん) ボーダーネット張り(馬踏目地)] LIXIL 

粘土を主原料に各種の鉱物を混ぜて板状に成形し、焼成した素材。外壁だけではなく、床や内装にも用いられるおなじみの素材です。

焼き方や吸水率の違いなどで、磁器質、せっ器質、陶器質に分けられますが、外装材に主に用いられるのは、水分を吸収しにくい磁器質やせっ器質。耐候性、耐久性、耐火性に優れているのが特徴です。汚れがつきにくく、色落ちや劣化の心配も少ないため、メンテナンスがほとんど必要ないことも魅力。コスト的には、他の素材に比べて高めといえるでしょう。

また、タイルの施工方法には、湿式工法と乾式工法があります。以前は湿式工法が主流でしたが、最近では、下地材に専用の金具やボンドなどで引っ掛けたり、 留め付ける乾式工法が普及しています。施工が容易で、剥離や落下の心配がないのが特徴。既存の壁の上に貼り付けることができたり、軽量化すること で躯体への負担を軽減するなどしたリフォーム向けの商品もみられます。

■ALC(パネル)  耐火性能が高く、加工が簡単
ALC はAutoclaved Lightweight Concreteの略で、軽量気泡コンクリートの一種。石灰質材料とけい酸質材料を微粉末にして水と混ぜ、ガス発生剤を添加して気泡をつくり、固まった後に高温高圧で養成して硬化させたものです。気泡などの空隙部分が全容積の80%を占め比重0.5と軽量なのが特徴です。耐火性能が高く、加工が簡単という特徴もあります。

耐候性や耐久性、メンテナンス費用など、長期的な視野で選ぶ

外壁材は、建築するエリア・地域特性(法的な問題はもちろん、寒冷地や沿岸地域、幹線道路沿いなどの環境も含め)、構造や予算などに大きく関係する建材なので、早めに設計担当者と相談すること大切です。

選ぶ際には、外観のデザインイメージ、周辺環境などとのバランスや調和などにも配慮したいもの。屋根の形状や色、窓やベランダなどの配置を意識して。また、周辺の建物や街路樹など、街並みに馴染むような素材、色柄を選ぶことも必要でしょう。素材のデザインや色味は、カタログや小さな見本サンプルだけでなく、ショールー ムやモデルハウスなどで、実際の素材感を確認することも重要。イメージをつかむために、外観仕上げのシミュレーションができるメーカーのホームページを利用してもいいでしょう。

外壁材だけに限りませんが、住まいは施工が完了すれば終わり、ではありません。年を経るごとにメンテナンスや修理、リフォームが必ず必要になります。そのため、日々のお手入れ方法や定期的な点検方法、メンテナンス費用、保証など事前に確認し、長期的な視野で選ぶことが重要です。


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