2/2 世田谷の高級マンションがかかえるウラ事情 [高級マンション] All About

低層住宅街にできる高級マンションの魅力

天然石に刻まれた「東急ドエルプレステージ瀬田」のサイン

しかしながらマンションの建設であれば、敷地内の空地に由緒ある樹々を残すことができ、良好な環境を継承していくことが可能である。

今回画像で紹介しているマンションは、現地の前面道路からでさえ建物の露出が少ない。森に囲まれたようにひっそりと佇み、建物よりはるかに高い木々がとても印象的だった。

このような環境に十分配慮したマンションを作るにはコストがかかるのは言うまでもなく、分譲を営む側の事業効率としてはマイナスに働くことが多い。ましてや用地の取得費用も到底安いはずはない―マンション用地は容積率の大きいほうが事業に適しているといわれている―。

南斜面に広がる「東急ドエルプレステージ瀬田」。マンションに気づかず通り過ぎるほどに、背丈の高い木々に囲まれている

環境の優れた邸宅街であればあるほど、グレードを上げ完成度の高い高級マンションが望まれる。つまりこの様な低層住宅街のマンション分譲は、事業主から見ればハイリスクローリターンな事情を抱え、事業的な難易度が必然的に高くなる。

さらに港区など都心エリアと同等の需要はさすがに見込めず、おのずと参入・挑戦するデベロッパーもごく一握りになる。したがって世田谷エリアにおける高級マンションはそのような背景から秀逸度が極めて高く、さらには供給のダブつきが（都心に比べると）少ないエリアであると考える事ができるのである。