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No.14 手付金と申込み証拠金

手付金と申込み証拠金の法的な位置付けと、解約・申込み撤回時の取扱いについて説明します。

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不動産の売買契約のとき、通常は買主から売主へ手付金が支払われます。また、新築マンションの購入申込みなどの際には、申込み証拠金として5~10万円程度の金銭が支払われます。今回はこの2つの違いについて説明したいと思います。


申込み証拠金

これは購入申込みの意思表示の際に 「優先的に購入しうる権利を確保する目的」 で売主に対し “預ける” もので、 「冷やかしではなく本気ですよ」 といったぐらいの意味合いで授受されます。

しかし、前回の ≪売買契約の成立時期≫ で説明したように、この時点では売買契約は成立していませんから、後で購入の意思表示を撤回することは可能。契約をしなければ 「必ず返還される」 べきものです。

一時期、この申込み証拠金の返還をめぐってトラブルが頻発し、問題となったことがありました。現在も申込み証拠金の授受に規制はありませんが、その預り証の中に 「契約不成立の場合には全額返還します」 と明記するように、監督官庁より指導されています。

なお申込み証拠金は多くても10万円程度です。あまりに高額な金銭を要求された場合は要注意!


手付金

これは契約の成立を前提として買主から売主へ支払われるもの。中古物件であれば、売買金額の10%程度のケースが多いようです。

不動産業者が売主の場合には、いろいろと制約があって、新築物件等で未完成の場合には売買金額の5% (かつ1,000万円以下) 、完成済み物件や中古物件 (工事を伴わないもの) では売買金額の10% (かつ1,000万円以下) までが通常に受け取ることのできる手付金の額です。これを超える場合には法で定められた 「保全措置」 を講じなければなりません。ただし、保全措置を講じたとしても、業者が売主の場合に手付金として受け取ることのできる金額は、売買価格の20%が上限です。

手付金は売買金額の一部 (いわゆる内金) ではありません。したがって、厳密にいえば、売買代金の支払い (決済) のときには、いったん手付金を買主へ返還し、改めて売買代金の全額を買主から売主へ支払うことになります。

しかし、そのような手続きは煩雑になるため、実際の取引では手付金を売買代金の一部に充当したうえ、残りの売買代金を決済時に支払うことになります。売買契約書に必ず 「この手付金は、残代金支払いの際に売買代金の一部に充当します」 などと記載してあるのはこのためです。

なお、手付金は 「買主から売主へ」 支払うものと決まっているわけではなく、逆に 「売主から買主へ」 支払ったとしても法的効果は何ら変わりません。しかし、取引の慣習として 「買主から売主へ」 支払うのが普通です。

また、法的には手付金の性格として 「証約手付」 「違約手付」 「解約手付」 に分けられ、それぞれ少しずつ取扱いが異なります。

「証約手付」 は、純粋に契約が成立したことの証しとしてのみ授受されるものです。

「解約手付」 はいわゆる 「手付放棄・手付倍返し」 による契約の解除権を留保する目的があり、通常の取引での手付金はほとんどこの 「解約手付」 だと判断されます。 「違約手付」 も扱いは似ていますが、 「違約があったときに没収する」 ということで意味合いが少し異なります。

なお、 「手付放棄・手付倍返し」 による契約の解除は、いつでもできるわけではなく、契約の相手方が 「契約の履行に着手」 した後はできないものとされています。この 「契約履行の着手」 というのはいろいろと難しい問題を含んでいますので、別ページの説明をご覧ください。



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更新日:2002年07月11日

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