それでは、主な都市における高度地区の制限内容の例をみていくことにしましょう。
東京都の場合
東京都では、原則として3種類(第1種高度地区、第2種高度地区、第3種高度地区)の最高限度高度地区(区部、市部共通)が定められています。ただし、2004年度に実施された都市計画の見直しで絶対高さによる高度地区制限が加えられたことから、20m、30m、40mの絶対高さ制限と第1種~第3種高度地区の組み合わせ制限、あるいは単独の20m、30m、40m、50m、60mの絶対高さ制限なども導入されています。
また、いくつかの区では最低限度高度地区の制限も適用されています。
【第1種高度地区】
絶対高さ制限との組み合わせ例…20m第1種高度地区など
【第2種高度地区】
絶対高さ制限との組み合わせ例…20m第2種高度地区、30m第2種高度地区など
【第3種高度地区】
絶対高さ制限との組み合わせ例…20m第3種高度地区、30m第3種高度地区、40m第3種高度地区など
【絶対高さ制限】(単独)
20m高度地区、30m高度地区、40m高度地区、50m高度地区、60m高度地区など
その他、首都圏の場合
神奈川県では横浜市、川崎市など一部の市町で高度地区の制限が導入されていますが、その内容はすべて異なっています。横浜市では、斜線型高さ制限と絶対高さ制限を組み合わせた第1種~第5種高度地区、絶対高さ制限のみによる第6種・第7種高度地区の合計7種類が規定されています。
埼玉県では和光市、新座市、草加市などで最高限度高度地区(絶対高さ)の制限、川口市で最低限度高度地区の制限が適用されています。また、さいたま市は従来、高度地区の制限はありませんでしたが、2013年から15mと20mの高さ制限が導入されました。
千葉県では斜線型高さ制限による第1種高度地区と第2種高度地区が規定され(県内共通)、千葉市をはじめとする多くの市町村で導入されています。
大阪府の場合
大阪府では斜線型高さ制限による第1種~第3種高度地区が規定されています。ただし、大阪市では最低限度高度地区(第1種・第2種)だけが適用されているほか、独自の規定をしている市もあるようです。愛知県の場合
名古屋市では10m高度地区、15m高度地区、20m高度地区の最高限度高度地区と、7mの最低限度高度地区が規定されています。その他、愛知県では尾張地域、西三河地域を中心にいくつかの市町で高度地区が導入されています。その他の例
札幌市では斜線型高さ制限による3種類の高度地区(24m北側斜線高度地区、27m北側斜線高度地区、33m北側斜線高度地区)と、絶対高さ制限による5種類の高度地区(24m高度地区、27m高度地区、33m高度地区、45m高度地区、60m高度地区)が規定されています。仙台市では斜線型高さ制限による第1種~第4種高度地区が規定されています。
福岡市では第1種15m高度地区、第1種20m高度地区、第2種15m高度地区、第2種20m高度地区の4種類が規定され、第1種が斜線型高さ制限と絶対高さ制限の組み合わせ、第2種が斜線型高さ制限のみの内容となっています。
その他、お住まいの地域における高度地区の規定については、それぞれの自治体へお問い合わせください。
また、ここに挙げた制限も見直しされるケースが少なくありませんから、必要な際には最新の情報を確認することが必要です。
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