暮らしの法律/金銭問題

敷金・家賃・不動産売買の基本

敷金・家賃・不動産売買のカテゴリでは、借地借家にまつわるトラブル、不動産売買にまつわるトラブルについて解説してみようと思っています。

酒井 将

執筆者:酒井 将

暮らしの法律ガイド

敷金とは

借地借家、不動産売買にまつわるトラブルは多い。

借地借家、不動産売買にまつわるトラブルは多い。

敷金とは、家賃をはじめ、家主の借主に対する賃貸借契約上の債権を担保するために、借主から家主に差し入れるお金です。通常、居住用建物の場合には家賃の1~3ヶ月分ですが、事業用建物の場合にはそれより高額のことが多いです。敷金によって担保されるのは、賃貸借契約から生じる借主の家主に対する一切の債務です。家主は、賃貸借契約が終了し、建物の明渡しを受けた時点で、未払い家賃、賃貸借契約終了時から建物明渡しまでの賃料相当損害金、原状回復費用などの賃貸借契約上の債務が残っていれば、契約時に受領した敷金からこれを控除し、その残額を借主に返金することになります。

なお、敷金のほかに、権利金、礼金、保証金などの名称で、借主から家主に差し入れるお金もあります。これらの実質は、敷金である場合もありますので、契約書できちんと内容を確かめる必要があります。

家賃について

地代や家賃は、多くの場合、貸主と借主の合意によって決められます。地代・家賃の決定方法は、いくつかあります。たとえば、家主の期待利回りから算出したり(積算法)、近隣相場を参考にして算出したり(賃貸事例比較法)、借主の支払可能額から算出したり(収益分析法)、いったん決定した賃料に経済変動率を乗じて決定したり(スライド方法)、固定資産税や都市計画税などの公租公課を基準に算出したりします(公租公課倍率法)。

決められた地代・家賃がその後の経済事情の変動などで、不相当になった場合、貸主借主は互いに相手方に対し相当な額に値上げあるいは値下げを請求することもできます。

不動産売買

不動産は大きな買い物なので、物件の選択から資金の調達、売買契約、登記の完了、物件の引渡しに至るまで、入念な注意が必要です。まず、物件の選択にあたっては、事前の調査が非常に大切です。物件が所在する現地には何度か足を運ぶ必要があるし、登記簿謄本もしっかり確認するべきでしょう。欠陥住宅を買わされてしまったり、建築基準法などの規制で建てようとしていた建物が建てられないというような事態になっては大変です。

次に資金の調達ですが、多くの人は、現金一括で不動産を購入するわけではありません。頭金を用意するとしても、資金の大部分は金融機関からの借入れによって準備することになります。したがって、何十年ものローンを返済可能かどうか、しっかり検討することが大切です。売買契約の際には、代金の授受、物件の引渡し、所有権移転登記申請を同時に行なうのが通常です。登記申請は後日などという場合、契約するべきではないでしょう。二重売買されて登記を先に移されてしまえば、権利取得できないからです。
 

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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