関東・武蔵野うどん

更新日:2002年06月14日

懐かしい田舎うどん 『小島屋』 東村山市

東村山うどんの開祖的存在のお店。30余年うどんを打ち続ける女将さんはうどん名人。薪で炊くうどんはどこまでも優しい。


小島屋

東京都東村山市は武蔵野うどんの中心勢力が集まっている。この地で30余年うどん店を営む『小島屋』を訪ねてみた。車で脇から入ったので危なくお住まいを訪問しそうになる。振り向くと煙のでている建物があるからそこがうどん屋さんだとわかる。この雰囲気は讃岐とそっくりだ。建物の周りには薪がたくさん積まれている。なにやらかまどは薪のようだ。

昼時には少し早い11時に入店。一押しメニューの肉汁うどんをお願いする。連食の予定があり普通盛り。程なく出てきた肉汁うどんは少し灰色かかって地粉を含むのが判る。少し渇き気味だが肉汁が絡むとつるりと喉越しがよい。比較的ソフトな感触だ。

お薦め肉汁うどん 600円


時間が昼前なのでお客さんはまだ多くない。玉買いに来る方もいる。店内は少し雑然としているがなかなか良い雰囲気で昔ながらの飲食店の風情がある。小上がりというよりも座敷と呼んだ方が良い店の奥にはなつかしのちゃぶ台が並んでいる。

女将さんと話していると手打ちを見るかと誘われる。これ幸いと遠慮なく見せていただく。
打ち場は2つあり女将さんは奥で打っている。もう一方手前で延ばしている方がいる。撮影をお願いするとわざわざ場所を取り替えて近くにきてくれる。生地は大きなもので3キロ玉のようだ。120センチ四方程度に延ばされる。次は畳から切りに入る。鮮やかな手つきで手ごまで切り進む。「見事ですね」と声をかけると「目をつぶっていても切れるよ」と目を閉じる。うーん怖い。手元は狂わずに切り進んでゆく。熟達の技だ。30余年毎日のように続けられた仕事の技だ。

熟練の女将さんの延し



手ごまの切り、麺切り台より早い!


【こだわり】
うどん粉は地粉とASWのブレンド。優しい食感だ。気持ち平打ちに近いうどんはいわゆる武蔵野うどんというものより穏やかな食感だ。けっして柔らかいわけではないのだが、手打ち技術によるものか喉越しが良い。打ち立てを釜に投入。茹で時間は・・・勘だとおっしゃる。でも7から8分程度。薪を燃やすかまどで大釜が煮えたぎる。煙突から登る煙に多少心配はあるようだがこのうどんが30年以上続いていればこの釜を止めろとはなかなかいえないだろう。きっと薪釜も味のうちだろう。

茹で立ての「もりうどん」500円


茹でたてを今度は盛りでいただく。しなやかさは先ほどの肉うどんとは別物。茹でたての美味さ、優位さが引き立つ。しかしここのうどんは茹で置かれても美味しい。肉汁やつけじるが温かいのだ。
うどんはいつでもしなやかさを取り戻す。素朴だが味わいのあるうどんだ。


薪の竈 いつまでも燃え続けて欲しい。

【DATA】
手打うどん『小島屋』
東京都東村山市野口町3-10-3
042-391-2638
営業時間10時~14時
定休日 日曜日祭日 臨時休業も比較的多いとのこと。
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蓮見 壽

うどん研究家として講師をはじめ、書籍などの様々なメディアへ情報提供など活動中。独立行政法人 中小企業…

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