フレンチ/東京のレストラン

ミクニマルノウチ(ブリックスクエア)(2ページ目)

丸の内に蘇った三國シェフの新スタイルフレンチ。江戸野菜に的を絞り、野菜フレンチの新境地を開くことができるか。現代の名工、三國清三の挑戦に終りはない。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

江戸野菜

レストランのキーコンセプトは『江戸野菜』。これは地域で採れたものを地域で消費するという、いわゆる「地産地消」の考えに基づくもの。しかし、こうした作られたマーケティングワードはいつしか消えゆくもので、ここはわかりやすく伝統的地場野菜をふんだんに使ったコンテンポラリーなフレンチと考えたい。

東京野菜と全国の選りすぐり素材のコラボレーションメニュー(1万円)は高知産赤ピーマンのババロアに小松菜を添えたものから始まる。食器の多くは美濃焼きで、ミクニオリジナルなもの。しかし、この赤い皿に赤ピーマンを合わせるのはやや無理があったか。味わいはふわりとしたムースの後味がすーっと身体の芯まで入り込む、確かな技術に裏打ちされた完成度の高いもの。

東京湾のサザエの白ワイン煮に東京で採れたトマトやグリーンアスパラ、立川の「うど」を添えたもの。これはそれぞれの素材の異なる食感を楽しむための一皿。ソムリエは個性的なヴィオニエをあわせてくるが、コース料理に合わせたグラスワインのセレクションができるレストランが増えてきたことは実にたのしいことではないだろうか。
江戸野菜
組み合わせがとても楽しいすっきりとした一皿
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