フレンチ/東京のレストラン

ラール・エ・ラ・マニエール(銀座)(3ページ目)

珠玉の多皿料理を繰り出す、今人気のフレンチ。心地良いのは銀座ならではの気品ある時間が楽しめます。この冬、グルメなカップルはぜひ押えておきたい一軒かも知れません。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

仔羊

岩のリで味を調えられた仔羊は面白い料理だった。汐に吹かれて育った仔羊はこの日一番の料理がメインディッシュだったことはとても嬉しい。それまで繰り出された肉厚の石鯛も、いろいろな前菜的料理もみんな脇役。最後にがっつりと〆て、デザートを食べて、私はきちんとした満足感に包まれていて。あとから思うと時間なんか気にしないであのあとチーズでも舐めながらもう一本ボルドーでも飲んでいればよかったな、と。その頃の銀座は一日で一番静かで、とても綺麗な夜明けが楽しめるはずだ。
鯛
焼き加減は申し分ないが僅かでもソースが欲しかった

年とともに記憶力が低下する私ではあるが、1人一本位飲んでいると写真を撮っていてもあとから「これなんだったっけ?」となってしまう。多皿料理は楽しいが記憶に残らないともいう。しかし、レストランの記憶は料理の記憶だけではないだろう。大切なのは誰と食べたか、だ。その中に一品でも「想い出に残る印象的な料理」があれば本望だろう。

レストランは時間を売る商売かも知れない。その意味では終電を気にしていた私達はちょっと情けないことこの上ない。
仔羊
自然な塩の味わいがたまらない

さ、これからのグルメシーズンやクリスマスディナーの時にちょっと奮発して美食に囲まれて長い時間大切な人と過ごしたい、というときにはエール・ア・ラ・マニエールはお勧めだ。これから予約が取りづらくなる季節になるだろう。こういうときは空いている日を聞いてそこにこちらの予定を合わせる位の覚悟が必要だ。
小さなデザート
フルーツのジュースで覚醒する

近くのお洒落な外資系ホテルを予約していれば話は別だが、レストランの予約時間は早いほうがいい。19時半の予約でもメニューの説明を受けたり、ワインを選んだりしていると食事のスタートは20時半近くになる。あれこれと飲みながら13皿も食べているとあっという間に終電は遠くに過ぎ去ることになる。

最後に、シェフの清水将氏。ものすごく伸びしろがあるような予感。吉岡氏は完成された方だが、シェフはまだ発展途上。この料理はすごい、というものを作り上げて欲しい。年明けた頃に再訪してみたい。

■ラール・エ・ラ・マニエール(銀座)
住所:東京都中央区銀座3-4-17 オプティカ B1
電話:03-3562-7955
営業時間
Open/17:00
Last Order/25:00
Close/26:00
定休日:日休
東京メトロ銀座駅より徒歩3分。
地図

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