テニスのカウント方法を解説!0ポイントはなぜラブという?
「テニスの点数を数えるとき、15→30とくれば次は45じゃないの?」「そもそもいったい何故、テニスは独自のカウントをするのだろう?」。
そんな疑問を抱いている人、結構いるのではないでしょうか?最初は不思議に思いつつ、長くテニスを続けているうちに、この不思議なカウント方法を自然に受け入れてしまっている…。
そこで、今回は「テニスの不思議」と題し、ポイントの数え方の不思議を紐解いてみたいと思います。
テニスのカウント方法の起源の諸説を解説!
テニスの前身とされるスポーツが生まれた中世のヨーロッパでは、60で位を1つ上に上げる「60進法」主流であったといわれ、「60」という数字がベースに幾つかの説が伝えられています。1、時計の文字盤説
時計の文字盤を見てみよう
時計の文字盤を思い浮かべてください。それを4分割し、1周するとゲームが終わると考え、実際に時計の文字盤を使用してカウントを表示したという説。 現在、この説が一番有力視されています。
2、修道院の生活時間説
テニスの前身と認められているゲーム「ジュー・ド・ボー」が修道院で考案され、その修道院の生活時間(祈りの時間、掃除、食事など)が「15分」を基本として組まれていたため、その習慣がカウントを数える際にも応用されてという説。
3、貨幣の単位説
貨幣の単位を考えてみると……
テニスが賭けの対象となり、1ポイントごと、14世紀のフランスで使用されていた貨幣ドゥニエ銅貨をプレイヤー同士で賭けていた。その銅貨の単位が15スウであり、早く60スウに達した方が勝ちというルールが起源となったとする説。
上記の3つは、「15」という数字の倍数で換算されていますが、なぜ3ポイント目だけが40(フォーティー)となるのかというと、その有力な説として「45(フォーティーファイブ)」が長くて言いにくいためといわれています。
テニスでは0ポイントのことをなぜ「ラブ」というの?
カウントの数え方と同様に、いくつもの説があります。1、卵説
A-「ジュー・ド・ボー」が考案された11世紀のフランスでは「0」(ゼロ)という数の数え方がなかったとされています。しかし、ゲームをスタートする際に「0」に相当する言葉が必用となり、苦肉の策で、、卵(フランス語で「ロエフ」)を「0」に代用したとされています(当時の上級階級の宴会で最初に卵を食べる習慣があったため)。
その後、イギリスにテニスが渡ったときに「ロエフ」と上手く発音が出来なかったため、発音が似ている「LOVE(ラブ)」が「0」の代わりになったとする説。
B-イギリスの伝統的なスポーツ「クリケット」では、打者が得点できずに0点に終わると、その打者を「あひるの卵」と形容する習慣が古くからあり、前述のフランス語のロエフと「ゼロ」の関係からラブとする説。
C-ラテン語の「アブ・オボ(最初から)」という言葉が起源となる説。オボには卵という意味があり、直訳をすると「卵から」というという意味になります。前述までの上流階級の食事の習慣から「ラブ」に繋がる説。
2、NOTHING説
LOVEにもともとNOTHINGとかZEROの意味があったため「ラブ」とする説。
3、オランダ語説
オランダ語から英語になったゲーム用語は多く、オランダ語のLOT(名誉をかけて勝負する)がLOVEに転じたとする説。
4、愛情説
全く得点が取れず0点のまま試合に負けた相手に対して「ラブ」と優しく呼びかけたとする説。
テニスの不思議「カウント編」はいかがでしたでしょうか?さまざまな説があり、明確な理由はないと言うしかないのですが、中世ヨーロッパの歴史的背景と深く関係していることはわかっていただけたと思います。
テニスはコートの上だけで楽しむのではなく、当たり前に受け止めているルールやテニスグッズ、今回のようにカウント方法について深く掘り下げてみると、テニスの別の楽しみ方もあります。この際、皆様も見つけてみてはいかがでしょうか?
【関連記事】