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高反発ドライバー再登場。その是非(2ページ目)

反発係数0.85とルール基準値をオーバーする高反発ドライバー、イオンスポーツ「GIGA(ギガ) グランドスラム ドライバー」。すでに大きな話題になっている最新の高反発クラブに迫ります。

児山 和弘

執筆者:児山 和弘

ゴルフガイド

ゴルファーの願い、1ヤードでも遠くへを具現化

「GIGAグランドスラム ドライバー」のフェース面。ボール初速に差を生み出すフェース厚2.5mm、反発係数0.85の高反発フェース。精密鍛造されたカップフェース構造を採用
クラブフェースの反発係数の規制、いわゆるSLEルールですが、これはクラブの進化による大幅な飛距離アップによって、ゴルフというスポーツが質的に変化することを防ぐ目的があります。過去10年で、アメリカPGAツアープロのドライバー飛距離は、なんと30ヤード近くも伸びています。ロングアイアンでしか狙えなかったグリーンが、いまやショートアイアンやウェッジで狙い撃ちされるのですから、確かに道具の進化に歯止めは必要かもしれません。

ゴルフのルールをつかさどるR&Aは、SLEルール以後も、シャフト長、ヘッド体積、フェースの溝、慣性モーメントに至るまで、クラブの規制を強化してきました。それも以上のような観点からです。

ルールが施行されて1年以上が過ぎたこの時期、あえてルール違反の高反発ドライバーを発売したメーカーにも色々な逡巡があったのではないかと想像します。メーカーであるイオンスポーツでは、依然として多くのゴルファーが、「とにかく1ヤードでも遠くへ飛ばせるドライバーがほしい」という要望があることから、「再度ゴルフの原点に戻り、単純にゴルフを楽しむために、飛距離を徹底的に追求したクラブを開発した」とのこと。

ゴルファーにとって、ドライバーの飛距離はプレーを有利に進める上でもぜひ伸ばしたいもの。まして、以前に比べて飛距離ダウンを感じることの多いシニアゴルファーであればなおさらでしょう。道具で飛距離を伸ばせるのであれば、伸ばしたいというのが本音ではないでしょうか?

ガイドとしては、ルールはルールとしてやはり遵守すべきと思います。一方で、例えばプロになると金属バットが使用できない野球のように、競技レベルのカテゴリーに応じてルールが決まると良いのではないかとも思います。シニアゴルファーが道具で飛距離を伸ばすことができれば、将来的にもより長くゴルフを楽しむことができ、その意義は決して小さくないでしょう。

岩間プロもクラブの性能をどれだけ評価しても、ルールに不適合なクラブをグランプリにするには当然抵抗があるでしょうから“特別賞”という形での評価になったと思います。

辛口で鳴らす岩間プロも「メーンユーザーがシニアということでヘッドスピード37m/sでテストをスタート。(中略)弾き飛ばされたボールは、高い放物線を描いて、このスピードながらキャリーで200ヤード近くまで飛んでいった。(中略)芯が広いので、どんな打ち方をしてもボールをよく拾ってくれ、とにかく前に運んでくれる。(中略)距離が出て、曲がりが少ない。エンジョイ派のシニアゴルファーには最高のドライバーだ」(岩間建二郎『間違いだらけのゴルフクラブ選び 2009-2010』より) と最上級の評価をしています。

発売後、すでにかなりの話題になっているこのクラブ。他のメーカーの動向も含め、これから物議を醸しそうです。



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