映画/映画関連情報

平和を考える06年公開の名画BEST5

06年上期の公開作からガイド選出のBEST5です。世界平和、人とのつながりなど、観終わった後に切なさを感じる作品ばかりとなりました。ある意味、平和を考えさせられる作品群です。

執筆者:中野 豊

2006年1月~6月に日本で一般公開された作品からガイド選出のBEST5をご紹介します。チョイスした作品それぞれが、はからずも「他者との関わり方による様々な障壁」を描き出しています。差別・偏見から他者の痛みを感じ取る。そして、人と人との触れ合いを大切にと、観終わった後に考えさせられる作品群です。未見の皆様、ぜひともご覧ください。それでは、第5位からご紹介します。

第5位:『ブロークン・フラワーズ』
笑いあり涙ありの異色のコメディ映画の秀作

ブロークン・フラワーズ
他者との関わりで、性差・年齢差・価値観も重要なファクターであることを思う『ブロークン・フラワーズ』
『ロスト・イン・トランスレーション』のビル・マーレイ主演作。

ある日突然、息子と称する人物からピンク色の手紙を受け取った男(ビル・マーレイ)は、息子の存在の真偽を確かめるべく、過去に付き合っていた女性たちに再会する旅に出ます。ひとりの男の視線を通して、さまざまな生き方をたどる事になった「その後」の彼女たちの人生を次々と見せていく描き方には、監督お得意のオムニバス映画の趣きもあります。

・2005年/アメリカ映画
・上映時間:106min
・監督:ジム・ジャームッシュ
・出演:ビル・マーレイ、ジェフリー・ライト、シャロン・ストーン

第4位:『ミュンヘン』
国籍や宗教の対立! 重いテーマを内包した問題作

ミュンヘン
宗教テロ、国策テロが何故起こってしまうのかを考えさせられる『ミュンヘン』
ミュンヘンオリンピックというと、日本男子バレーボールの金メダルと競泳のマーク・スピッツの活躍を真っ先に思い出してしまいましたが、そうでした、このような大事件があったのだ!と、襟を正して年初に鑑賞しました。

イスラエル選手を襲ったテロ事件。その報復のために一人の男が暗殺者となります。愛国心故に任務に赴く彼に降りかかる現実をドキュメンタリータッチで追います。スピルバーグは相変わらずのストリーテラー巧者ぶりを発揮し、暗いテーマをエンタテインメント作品よろしくサスペンスフルな躍動感を加味してたたみかけてきます。宗教絡みのテロ、その真実と嘘を見つけ出すことも必要でしょう。

今年は、「9.11」をテーマにした映画の公開もありました。何故テロリストが生まれるのか? そのこたえのいくつかをこの作品から読み取り、争いのない世界に向かう心が世界に少しでも広がってゆけばよいですね。

・2005年/アメリカ映画
・上映時間:164min
・監督:スティーヴン・スピルバーグ
・出演:エリック・バナ、ダニエル・クレイグ

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