テクノポップ/テクノポップ関連情報

サエキけんぞう氏と対談

クロード・フランソワのトリビュート『CLO CLO MADE IN JAPAN』の発売を記念して、サエキけんぞうさんにインタヴュー。フレンチポップからハルメンズ時代の話までいろいろ伺いました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

CLO CLO MADE IN JAPAN

amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
CLO CLO MADE IN JAPAN
01. Pecombo「いつものように(マイ・ウェイ)」
02. YMCK「あのとき」
03. Kenzo Saeki「陽のあたる月曜日」
04. Budo-Grape「うらら・うららか」
05. Toast Girl「シャンソン・ポピュレール」
06. Tetsuro Kashibuchi「君が恋におちた時」
07. ELEKTEL featuring Kiyonori Matsuo「アレキサンドリ・アレキサンドラ」
08. chelucy「リオに行こう!」
09. Fantasys Core「いつものように(マイウェイ)」
10. Les Cappuccino 「けれど朝には」
11. Kenzo Saeki & Club Je t'aime「マグノリア・フォーエヴァー」
12. genius「春は歌うよ」


サエキけんぞうさん
日本人アーティスト12組によるクロード・フランソワへのトリビュート・アルバム『CLO CLO MADE IN JAPAN』の発売を記念して、プロデューサーでもあるサエキけんぞうさんにインタヴュー。日本のニューウェイヴ勢では異彩を放ち、戸川純、野宮真貴とも繋がる、ハルメンズのお話もお聞きしました。

「マイウェイ」の作者

ガイド:
クロード・フランソワ
サエキさん、お久しぶりです。『CLO CLO MADE IN JAPAN』の発売おめでとうございます。CLO CLOというのはクロード・フランソワの愛称だということですが、彼はフランスではどのような位置づけなんでしょうか?

サエキ:
戦後最大の歌手、ゲンスブールと2分する存在です。ジャック・ブレル、ジョルジュ・ブルッサンスのようなシャンソン歌手と違う、フレンチ・ポップスとして、という意味において。

歌って踊る歌手で、日本でいえば、郷ひろみさん、沢田研二さんに近いでしょうか?先日もフランスの若者に会った時に、CLO CLOの歌を歌えましたから、その存在はやはり巨大なようです。

ガイド:
フランク・シナトラ、いやパンク世代ではシド・ヴィシャスのカヴァーした「マイウェイ」が、CLO CLOがオリジナルのフレンチポップだという事実はとても意外ですね。

サエキ:
「マイウェイ」の原曲「Comme D'habitude」(カム・ダビチュード 邦題「いつものように」)は 、1967年仏でヒットしてます。この「Comme D'habitude」は、実は、当初デヴィット・ボウイが英詞をつけたんです。出版社の意向としては、トム・ジョーンズに歌わせようとしたらしいです。ボウイは腹いせに、パロディともいえるような曲調の「Life on Mars」(Hunky Dory)を作りました。

ボウイに代わりポール・アンカにより詞をつけられた「マイウェイ」は、フランク・シナトラ、エルヴィス・プレスリー、そしてセックス・ピストルズのシド・ヴィシャス、などに歌われ、世界で4番目にカヴァーされた名曲の座を得ました。観客を殺しまくる、シドの有名なこの曲のクリップにも曰くがあります。このクリップを撮った会場は、セルジュ・ゲンスブールが自分のTVショウの合間を好意で貸してあげたということなのです。このように、CLO CLOは、英米と仏の架け橋となる運命を持って生まれました。
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