スーツ・ジャケット/メンズファッションショップ情報

美しいシルエットを追求し続けるビスポークカッター テーラー&カッターが目指すもの(3ページ目)

昨年暮れにオープンしたテーラー&カッター(TAILOR&CUTTER)。ビスポークカッターの有田さんのお店です。彼が目指しているスーツ作りの本質を取材できたと思います。興味のある人はどうぞ!

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

お客さんとコラボレートしながらスーツを作っていく


ディスプレイされたスーツ
凄く英国の雰囲気を漂わしているスーツです。これはあくまでサンプルでしかない。肝心なのは、お客さんとコラボレートしてスーツを作っていくこと。でもボクなら、「これと同じもの作ってください」といいそうだな。
店内にはサンプルと製作途中のスーツが数着あるだけで、テーラー&カッター(TAILOR&CUTTER)のスーツはこれだ! というような明確なスーツが展示されているわけではない。

「あえて、自分のブランドのイメージはこうですよ、といった決めつけはしたくなかったんです。そうすることでイメージを固定されるというか。フルオーダーのスーツはお客さんとともにコラボレートしていくのが理想だと思います」と語る有田さん。

とはいえ基本となるのはやっぱり英国サヴィル・ロウ仕込みのテーラリングである。

どこかに有田流というか、独自の匂いを感じさせるスーツを作り上げる。それをまたお客さんが期待しているのだ。


作業台
やらせなしの作業台の風景。テーラーでしかこんな大きな鋏や、変わったアイロンは見ませんね。霧吹きもクラシックです。
一般的にオーダースーツというと、右肩が下がっているとか、いかり肩だとか、そういった体型の補正を思い浮かべてしまう。

フルオーダーの世界ではそんなことは当たり前で、現在ではパターンオーダーでも補正してくれるところが多い。


ポーター&ハーディングのプレート
テーラー&カッターの「&」に用いられたのが、このポーター&ハーディングの鋏だ。英国ハダースフィールド(たぶん)のマーチャント(生地商社)。
補正したスーツは、既製のスーツよりいいに決まっているが、フルオーダーはそのレベルでは妥協しない。

お客さんの意見を取り入れながら、その体型を活かしたスーツを作っていくのだが、そこに有田さん独自のスタイルが加味されるというわけだ。

一着のスーツとはいえ、お客さんとの会話や生地選び、仮縫いの時間、出来上がったスーツを着ていく場所など、さまざまな要素が、ストーリーが詰まっているのだ。


パターンオーダー+袖だけビスポーク(フルオーダー)が狙いめ!


ギーブス時代から愛用のチョークシャープナー
ギーブス&ホークス時代から愛用のチョークシャープナー。つまりチャコ(おにぎり形のチョーク)を削る箱です。日本でこれを所有しているのは有田さんと、バドゥアールの久保田さんだけだと思う。これ欲しくてたまりません! 奥に見えるのはケントの洋服ブラシ(涙)と、ブレスレットタイプの針山。
いくらフルオーダーがいいといっても予算的な問題もあるだろう。そんな諸兄におすすめなのがコレ。

身頃はパターンオーダー(高い技術力をもった工場での縫製)で、袖のみ有田さんが作ってくれるというシステムだ。

肩の美しいシルエットはなかなか工場では出せないそうだ。靴や鞄でいうところの要所手縫いに似ている。

現在フルオーダーは予約がいっぱいらしい。少し早い気もするが秋物を作ってもらうのもいいだろう。


フルオーダー(ビスポーク)スーツ 33万円~ 納期3ヶ月
パターンオーダー+袖だけビスポーク スーツ 13万円~
パターンオーダー スーツ 10万円~


商品に関するお問い合わせは、
テーラー&カッター】(TAILOR&CUTTER)
TEL&FAX 03-3499-7725
東京都港区南青山6-3-11 PAN南青山B103
営業時間 12:00~20:00
火曜日定休
【編集部おすすめの購入サイト】
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