契約書とは
契約書とは? 契約は口約束でも成立する
日常生活は多くの契約で成り立っているもの
あなたの日常生活を考えてみてください。たとえば、スーパーに買い物に行って、晩ごはんの材料を買いました。これは立派な売買契約です。でも、その際にいちいち契約書なんか作りません。
ほかにも、たとえば、毎朝、会社に行くために電車に乗るというのも契約です。これも、あなたは鉄道会社と運送契約という契約を結んでいるのです。でも、切符を買うときにわざわざ契約書は作っていません。
このように、口約束でも契約は成立するのです。
契約書を作るのは証拠として残すため
では、口約束でも契約は成立するのに、どうしてわざわざ契約書を作るのだと思いますか? それは、契約の内容を証拠として残すためなのです。つまり、相手が後になってから契約の存在を否定したり、契約内容を実行しないときでも、契約内容を記した契約書さえ手元にあれば、相手に契約をきちんと守らせることができるのです。
たとえば、100万円を相手に貸したとしましょう。約束の返済期限が来たので、返して欲しいと言ったところ、相手が「あの100万円はもらったものだから、返す必要はない」と言い出したとします。このとき、契約書がないと、「貸した」ということを証明できません。「貸した」のか「あげた」のかがわからなくなってしまうのです。
こういう争いが生じたときに、真実はどうであったかを判断する人が、裁判官ですが、裁判官は神様ではないので、その100万円が「貸した」ものなのか、「あげた」ものなのかは、契約書などの証拠がなければ判断できません。
結局、契約書がなければ、裁判官は「貸した」とはなかなか認定してくれません。
契約書に押すハンコは実印でないとダメなの?
ところで、契約書を作るときには、契約書の一番下の欄に、署名押印といって、自分と相手がそれぞれ名前を書いてハンコを押します。このときのハンコは実印である必要はなく、認印でも構いません。それどころか、ハンコがなくても一応契約は有効なのです。そもそも、契約書がなくても、口約束で契約は成立するわけですから、ハンコが実印だろうが、認印だろうが、本人たちが合意さえしていれば、契約はやはり成立していることに変わりないのですね。
実印と認印との違いは?
では、実印だと何が違うかというと、契約の証拠としての信用性が違ってくるのです。
認印だと、もしかしたら、本人以外の違う人が、勝手に同じ名字のハンコを用意して押したのかもしれません。その点、印鑑登録がなされている実印であれば、本人が押したものに間違いないだろう、と信用されるのです。
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