学歴ごとの生涯賃金の差は?

教育費のかけ方も、右へならえではなくなっている?

教育費のかけ方も、右へならえではなくなっている?

生涯賃金で見ると、重要なのは学歴よりも勤める会社がどこかということになりそうです。つまり出口戦略です。最も避けたいのは、大卒フリーターや大卒ニートです。

労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2015」を見ると、入社した企業で定年まで勤め続ける「標準労働者」の場合、学歴が高くなるにつれ生涯賃金も高くなっています。学歴が高いほど就業年数は短くなりますが、賃金水準はむしろ高い分、結果として高学歴ほど生涯賃金が高くなります。

まずは、平均年収で高卒と大卒の差を見てみましょう。

■2013年の生涯賃金
<男性>
高卒        2億4610万円(42年間)
大卒・大学院卒 2億7710万円(38年間)
--------------------------------
大卒のほうが+3100万円

<女性>
高卒        1億8240万円(42年間)
大卒・大学院卒 2億3530万円(38年間)
--------------------------------
大卒のほうが+5290万円

高卒と大卒の生涯賃金の差は、男性で3100万円、女性で5290万円となっています。

学費のかけ方で高卒と大卒の生涯賃金差が縮小

高卒と大卒の生涯賃金の差は、前述の通り、男性で3100万円、女性で5290万円あるため、学費のかけ方によっては生涯賃金の差が縮小することはあっても、学費による逆転はないといえそうです。

受験準備から大学失業までの学費は、「大学4年間でかかる学費・生活費はいくら?」にあるように、私立理系・自宅外で約1363万円、国立・自宅で約458万円かかります。受験だけでなく、塾などにかけてきた費用を累計すると、大卒と高卒の生涯賃金の差はさらに縮小することでしょう。しかし、あくまでもデータ上においてですが、学費による逆転はないといえそうです。

大企業に勤めれば高卒も大卒超え!?

ただし、就職した企業の規模によっては逆転はありえます。企業の規模で見た場合には、規模が大きくなるほど生涯賃金も高くなり、規模が小さい企業ほど逆に生涯賃金は低くなります。

「ユースフル労働統計2015」のデータでは、例えば男性の大学卒の場合、企業規模1000人以上の大企業では約3億509万円なのに対し、企業規模100~999人では約2憶4820万円、企業規模10~99人では約2億1500万円となり、大きな差となっています(同一企業型、以下同)。

一方、高卒で企業規模1000人以上の大企業に就職できた場合は、約2億7240万円、企業規模100~999人では約2憶2820万円、10~99人では約1億9500万円。

この数字を見てもわかりますが、高卒で企業規模1000人以上の大企業に就職した場合の生涯賃金は約2億7240万円なのに対し、大卒で100~999人規模の企業に就職した場合は約2憶4820万円、10~99人規模の場合は約2億1500万円と、いずれも下回ります。

女性の場合は、1000人以上の大企業でも、女性が高卒で働く際の生涯賃金は低い(2億80万円)ため、100~999人の規模の企業に勤めた際の大卒の生涯賃金(2億2410万円)を下回ることはありません。ただし、10~99人規模になると、1億8950万円と、下回ります。

あくまでも平均データで見た場合の傾向としては、ですが、大企業に勤めるのが、最も生涯賃金が高くなります。もちろん、中小企業や零細企業が大化けをして大きく成長して大企業になる場合もないとは言えません。将来性を見極める必要があります。