学費・教育費/奨学金制度と教育ローン

日本学生支援機構が奨学金の返済滞納に法的措置!?

利用者が増える一方で、返済の延滞も増えている奨学金。払えないときどうすべきか? 延滞したらどうなるか? しっかり知っておきましょう。

豊田 眞弓

執筆者:豊田 眞弓

教育費 ・ 奨学金ガイド

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3カ月以上延滞が約20万人!

後続の学生のことを考え、借りた奨学金は優先順位を上げて返済をしたいもの

後続の学生のことを考え、借りた奨学金は優先順位を上げて返済をしたいもの

日本学生支援機構「奨学金の延滞者に関する属性調査結果(平成23年度)」によると、奨学金の利用者が拡大を続ける一方で、年々、延滞も増加しています。

返還を要する301.4万人のうち、1日以上の延滞は33.1万人。このうち、3カ月以上の延滞は19.7万人です。

延滞者が増える中、日本学生支援機構は返還請求の仕組みを強化。平成20年以降は延滞3カ月で個人信用情報に載ることになり、その数が1万人越えをしたことで社会問題にもなりました。

平成26年度からは追加救済措置が取られ、それによってほんの少し緩和された形ですが(後述)、根本的な解決にはなっていないと言わざるを得ません。

返還が苦しくなったとき<1>返還期限の猶予

日本学生支援機構で奨学金を借りた人が、在学中であったり、災害、傷病、経済困難、失業などの理由で返還が厳しくなったとき、申請をして返還期限の猶予を受けることができます。

延滞する前に所定の書類を提出し、すみやかに手続きをしましょう。
承認された場合、その期間は返還の必要がなくなり、適用期間終了後に返還が再開されます。返還終了の時期も後ろに延びます。

ただし「返還期限の猶予」はあくまでも返還期限を延期する制度で、返還すべき元金や利息が免除されるものではありません。

猶予期限は、災害・傷病、あるいは生活保護を受けている場合はそれが続いている間、入学準備中等の場合は通算5年が限度です。

実際の延滞理由としては、「経済困難・失業中等」「病気中」「生活保護」「入学準備中」「災害」などが多くなっています。

返還が苦しくなったとき<2>減額返還制度

減額返還制度は、奨学金の返還が困難になった人を、毎月の返還金を減額することで救済する方法です。

一定期間、毎月の返還金を2分の1に減額し、その分、返還期間を延長します。毎月の返還額を減額するため、一定期間は、返還が軽減されます。こちらも当然申請が必要で、審査によって適用されるかどうかが決まります。

減額になる期間は12カ月(6カ月分を12カ月で返還)で最長10年(120カ月)まで延長可能です。

苦しくなったら、延滞するより相談しよう!

返還が苦しくなったときは、とにかく学生支援機構に相談し、手続きををしましょう。平成26年度からは、延滞者であっても、傷病や生活保護受給などで返還が困難であると認められれば、返還期限猶予を受けることもできるようになりました。

しかし、3カ月経てば個人信用情報に載ってしまうのは変わりがありませんので、問題が大きくならないうちに早めに相談し、手続きをとりましょう。

【奨学金返還相談センター】
電話 0570-666-301(ナビダイヤル)


これらの申請をせず延滞した場合はどうなる?続きは次のページ>>
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