家電で食品ロス対策! 地球にも家計にもやさしいイマドキの注目家電って?

家電の進化が目覚ましい昨今、高性能・グッドデザインは当たり前。今注目したいのは、お財布にも地球にもやさしい、エコロジカルな家電です。ここでは専門家が、家電を使った食品ロス対策をご紹介。最新家電の力を借りて、エコなキッチン習慣を手軽に始めてみませんか?

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家庭内の食品ロス、課題は食材をいかに長期保存するか

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食品ロスとは、まだ食べることができるのに廃棄される食品のこと。国連食糧農業機関(FAO)の定義によると、生産・貯蔵・加工・食品製造・流通の過程で発生する「Food Loss」と、小売・外食・家庭から発生する「Food Waste」の大きく2つに分けられます。

一般消費者である私たちがまず考えるべきは、家庭で発生する「Food Waste」でしょう。つい買いすぎてしまった野菜や、作りすぎてしまった料理を、心苦しくもごみとして捨てた経験がある方も少なくないのではないでしょうか。

食品ロスを減らすためには、食材をいかに長期保存できるかが課題のひとつです。たとえば、すでにご家庭でも、買いすぎてしまった食材は新聞紙などでくるんだり、冷凍したり、あるいは真空パック機や専用容器を使って真空保存するなど、様々な保存の工夫をしている方もいるのでは?また、ぬか漬けにしたり、酢漬けやオイル漬け、干物や燻製にするのもひとつの方法です。

「家庭内の食品ロス対策には様々な方法がありますが、家電の力を借りて減らしていくのも手。近頃では、食材のムダを無くす優秀な家電がたくさん出ています」

そう話すのは、All About「白物家電」ガイドの田中真紀子さん。まずは、ほとんどのご家庭にあり、保存の大きな手助けとなる冷蔵庫についてお話を伺いました。

田中さん(以下敬称略)「最近の冷蔵庫の保存機能には目を見張るものがあります。たとえば野菜室を見ても、基本的に7日程度は野菜の鮮度をキープしたまま保存できるものが続々登場。野菜の熟成を促すエチレンガスを分解することで劣化を防ぐものや、低温・高湿の環境で寝かせて鮮度を守るもの、光を当てることで葉物野菜に光合成をさせて栄養価を保つものなど、メーカーごとにおいしく保存するためのさまざまなノウハウが投入されています。

いたみやすい肉や魚に関しても、凍り始めるギリギリの温度帯で保存するものや、真空環境で鮮度を保つものなど、味の劣化を抑えながら7~10日間もの長期にわたって冷蔵保存できるようになっています」

冷蔵保存で一週間程度の猶予があれば、今まで無駄にすることがあったまとめ買いの食材も、上手に活用していけそうですね。

「今すぐ冷蔵庫を新調するのは無理!」という方は、冷蔵庫の収納方法をひと工夫。少しの心がけで、食品ロス削減への貢献につながります。

田中「よく言われることですが、冷蔵庫は詰め込みすぎないこと。冷蔵効率が悪くなるのはもちろん、物が多すぎて奥が見えなくなったり手が届かなくなったりすると、その食品の存在自体を忘れてしまいがちです。そのうえで、消費期限が短いものは手前に置き、それを家族に周知して、同じ食材があれば手前から消費してもらいましょう」

栄養、楽しさ◎! よいことづくめな“余り食材”のオリジナル調理を

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保存と同様に大切なのが、食材を余すことなく使い切ること。手つかずのまましなびかけた葉物野菜や、食べづらい芯・皮など、「食べられるけど、気が進まない」食材の処理に困った経験がある方も多いのではないでしょうか。

そこで田中さんがおすすめするのが電気調理鍋。スープや煮込みはもちろん、さまざまな料理に活用でき、冷蔵庫で眠っている食材消費に一役買ってくれます。

圧力タイプのものなら、普段は硬くて食べにくいと捨てていたブロッコリーの茎やキャベツの芯、ダイコンやニンジンの皮なども、やわらかく食べやすい形で調理してくれます。また、無水調理ができるものなら、「食材の旨味がしっかりと引き出され、熱に弱い野菜の栄養損失を防げておすすめ」と田中さん。

田中「電気調理鍋は、基本的にボタンを押したら放置でOK。手軽に調理できるうえに、『食材を使い切れた!』という達成感はひとしおです。芯や皮などは栄養価も高いので一石二鳥ですね。また、レシピにはない食材を入れることで、『意外と合うかも』という新しい発見も楽しめます」

さらにもう一つ、田中さんがおすすめするのがスープメーカーです。食材を入れてボタンを押すだけという手軽さで、田中さんも自家製スープ作りにハマっているんだとか。

田中「わが家では、中途半端に残ってしまった野菜を、週末にまとめてスープにして消費しています。これが意外とおいしくて、楽しい! 味に不安があれば、ジャガイモ、玉ねぎ、コンソメ、牛乳などで、ベースをポタージュに整えてもいいでしょう。冷蔵庫で余りがちな食材でも、スープにしてしまえばおいしくいただけます。また、しめじなどのキノコ類も、スープが風味よく仕上がりおすすめです」

たとえば毎週末は冷蔵庫やストック食材のチェックを兼ねて、手つかずのまま消費期限が近づいている食材を使って電気調理鍋でカレーや煮込み料理を作る日、と決めてしまえば、自然に食品ロスを減らしながら、メインのおかずが一品作れてしまうというメリットも。皆さんも余り食材を使ったオリジナルレシピを、ぜひ楽しんでみてはいかがでしょう。

アプリやAIを活用して、賢く食品ロス削減を実現

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近頃では、インターネットと接続してスマートフォンのアプリで操作や管理ができる賢い家電が多く登場しています。実はそういった最新技術も家庭の食品ロス削減に役立ってくれるんです。

田中「メーカーによっては、アプリで冷蔵庫の食材管理をサポートしてくれるものがあります。買ってきた食材をアプリに登録して、保存経過日数を確認できたり、消費期限が迫ってきた食材を通知してくれるなどの機能を備えているんです。いちいち冷蔵庫を開けてチェックする手間が省けますし、外にいても在庫を確認できるのが便利。このアプリがあれば、買い物中も、食材のムダ買いを防ぐことができますよね」

さらに注目したいのが、冷蔵庫自体が無線LANでクラウド上のAIと接続したり、オーブンレンジや電気調理鍋など他の調理家電と連携したりできるタイプのもの。

田中「食材の使用頻度に応じてその家庭の食の好みや冷蔵庫のストック、消費するサイクルを学習・予測し、メニュー提案をしてくれるんです。さらにスマホと連動することで、買い忘れがないようにする食材管理はもちろんのこと、冷蔵庫の中で存在を忘れている食材や消費期限が近い食材を使ったメニューを提案してくれる機能も備えています」

その時点で残っている食材を組み合わせたレシピを提案して、電気調理鍋やオーブンレンジと連携して調理もしてくれるので、家庭の食品ロス削減に大いに貢献しそうです。

田中「『食品ロスをなくそう!』と気合いを入れて取り組もうとすると、少々ハードルが高く感じられることも。日々のちょっとした心がけや、楽しみながらできることを、自然に習慣づけられるのが理想です。そうした際に、家電を上手に活用するのはひとつの手。食品ロス削減は、結果的に家計の節約にもつながりますので、無理せず取り組んでいきたいですね」

>>環境省「食ロスポータルサイト」