金の需要と供給を考える

香港の金ショップの風景。中国大陸の人にはゴールドが大人気。開発途上国の躍進によって金需要は拡大する!?
大雑把に金の需給をみていきますと、世界の金市場は2000年以降、供給数量は大体年間で4000トン位で推移しています。このうち約2500トン前後が世界の鉱山からの新たな産出で、残りは中古金のスクラップと国などの公共部門からの放出となります。

金はもう地下に埋蔵されている3分の2が掘り出されたと言われています。金といえば南アフリカが思い浮かびますが、その産出量は1970年の年間1000トンから現在では200トン台となり、産出量は右斜め下45度の角度で落下しています。今後も供給は減ることはあっても、増えることはないと思われます。

あと22年で金が無くなる!?

ある資料では、金の採掘可能年数はあと22年と計算されています。さらに問題なのは、鉱石の含有率を示す「カットオフグレード」と呼ばれるものがあるのですが、現在それは0.00035%(百万分の3.5)ほどしかなく、さらに低くなってきていることで生産効率、コストがかかってきていることです。枯渇が近づくほど低品位なものが使われ、また金価格が上昇したときにも無理をして供給を増やそうとするためにカットオフグレードの低いものを採掘しますので、数量ベースでの採掘量は増えることになりますが中身が問題です(参考:大西忠一: “環境のマインドとリテラシー”: 軽金属, 55 pp.186-197 (2005) .)。

一方、需要の方ですが、約4000トンの供給量のうち3000トン強が実需に使用されます。歯科治療や工業品にも使用されますが、大半は宝飾品でインドがダントツの消費国となっています。インドは自国で宝飾品を加工し、ドバイなど金が好きなアラブ諸国へ輸出しており、ITと並ぶ同国の主要輸出産品となっています。残りが最近増えている投資の部分で、金塊、コインとして持つものと、先物投資やETF(指数連動型上場投信)などの投資用にリザーブされるものです。この投資部分が重要になってきており、世界最大の年金基金であるアメリカ・カリフォルニア州のカルパースが2007年度より商品への運用をテストすると発表しています。

順調にいけばカルパースにならって金で資産運用する他の巨大年金ファンドや大学ファンドなどもでこようかと思われますし、日本を抜いて世界最大の外貨準備高(1兆ドル)を持つ中国はその大半をドルばかりで保有しており、他の経済大国並みに金へ分散することも予想されます。

上昇中とはいえ、まだまだ金は割安!