病気やケガで入院した場合には、医療費はもちろんのこと、入院に必要な衣類などを揃えたり、見舞いにくる家族の交通費などさまざまな費用がかかります。
(1)医療費の自己負担
医療費の自己負担はかかった医療費の3割で、1ヶ月に一定額を超えると払い戻しを受けられますが、保険適用外の治療を受けたり、差額ベッド代などが発生したらその分は全額自己負担になります。
生命保険文化センターの「平成16年度生活保障に関する調査」によると、「直近の入院時の自己負担費用」は平均26.3万円となっています。この自己負担分には入院時の食事代や差額ベッド代などが含まれていますが、高額療養費制度による払い戻しを受ける前の金額となっています。
平均の分布をみてみると、「10万~20万円未満」が27.1%と最も多く、次いで「5万~10万円未満」が19.5%、「20万~30万円未満」が16.6%となっています。
1日あたりの自己負担費用は平均1万4700円。「1万円~1万5000円未満」が25.9%と最も多くなっていますが、全体で見ると「1万5000円未満」が6割、「1万5000円以上」が4割となっています。
(2)手術代
健康保険の適用となる治療法で行われた場合、盲腸や子宮筋腫の手術代は約20万円。高額なものでは心筋梗塞や大動脈りゅう切除が約100万~130万円となっています。入院費や治療費などを含め、高額療養費からの払い戻しを受けることができますが、一旦、この金額を病院の窓口で支払うことになります。
(3)医療費以外にかかるお金
入院することになったら、まずパジャマや下着などの衣類、洗面道具などを買うお金が1万~2万円程度かかります。入院中は家族が見舞いにくるときの交通費や外食代、子どもが小さいうちはベビーシッターや家事ヘルパーなどを頼んだりする費用もかかり、入院日数が長引くほど費用もかさみます。退院後は快気祝い(お見舞いでいただいた半分程度)を贈るお金がかかります。
【上野 やすみ】