定額型のメリットとデメリット
個人年金保険には定額型と変額型がある
定額型の個人年金保険は、老後に受け取れる年金額が定まっているので、老後の資金計画が立てやすいメリットがあります。しかし、受取時にインフレになっていると、年金の実質的な価値は目減りする可能性があり、保険の貯蓄性が下がっている現在、老後資金を大きく増やすことは期待できないデメリットがあります。
また、市場価格調整タイプは、中途解約すると元本割れ(受け取る年金額または一時金が払い込んだ保険料総額を下回る)の可能性があります。
外貨建てのメリットとデメリット
外貨建ての個人年金保険のメリットは、保険料を日本円より金利の高い通貨で運用するので、老後資金を増やせる可能性があることです。デメリットは、仕組みが複雑なため保険にかかるコスト(手数料)が高めで、受け取り時の為替相場によっては、円に戻すと元本割れする為替リスクがあることが挙げられます。
変額型のメリットとデメリット
変額型の一時払い個人年金保険には、大きく分けると、保険料の運用成績で年金額が変動する「基本型」と、運用が思わしくなくて元本を割り込んでも元本(払い込んだ保険料)は保証される「元本保証型」があります。さらに、元本保証型には、主に下記の3つのタイプがあります。1.到達目標設定型(ターゲット型)
一時払い保険料の110%、150%など、あらかじめ運用の目標値を設定しておき、契約後の一定期間経過後(1~3年が一般的)に目標値に到達した場合、運用実績を確保するタイプ。運用実績にもとづく積立金はすぐに年金もしくは一時金で受け取れるほか、一般勘定(運用リスクのない勘定)へ移行することもできる。
2.早期受取型
契約日から1年後からなど、早い時期に年金の受け取りが開始されるタイプ。
3.最低保証引き上げ型(ラチェット型)
年金原資あるいは年金受取総額と死亡給付金の最低保証額が、積立金の増加に伴って引き上がるタイプ。一度、引き上がった最低保証額は、その後の運用がよくなくても減少しない。
どのタイプも、保険料の運用がうまくいけば年金額が増えるのがメリットです。また、元本保証型は、運用に失敗しても、中途解約しなければ、年金で受け取れば、などの条件はあるものの元本は保証されるメリットがあります。
一方、変額型のデメリットとしては、主に以下の4つが挙げられます。
- 運用がうまくいかなければ年金額が少なくなる(元本保証型はこの限りにあらず)
- 元本保証型の特別勘定(保険料を運用する特別な勘定。投資信託が使われることからファンドともいう)は、安定的ではあっても増えにくい
- 保険関係費用、運用関係費用などのコストがかかる。元本保証型は、保険関係費用が高い傾向がある
- 基本型・元本保証型ともに、解約返戻金は保証されていないので、中途解約すると不利なケースが多い
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