利用額を算出する公式も用意して取り組む!
その利用可能額を法律は、包括支払可能額と呼んでいます。そして、その金額を出すための計算式も用意されています。年収から生活維持費分を差し引き、さらに大臣の定める係数0.9をかけたものが、包括支払可能額とされ、式にするとこうなります。
(「年収」-「生活維持費」)×0.9=包括支払可能額
今後はカード各社がその人の包括支払可能額をそれぞれ算定して出すようになります。
たとえば、生活維持費は、一人世帯なら持ち家ありは90万円、持ち家なしは同116万円と算定。四人世帯なら持ち家ありは200万円、持ち家なしは同240万円と算定されます。
そして、確かなことは総量規制が年収の少ない人には多大な不幸をもたらすということです。とくに年収のない専業主婦やフリーターへの影響は大きなものがあるといえます。年収がないためにその人はカードをもつことができませんし、使うことも難しくなります。そのため多くの専業主婦は法律が施行されたなら、どうしようと心配していました。
主管が経済産業省だったために個人消費の冷え込みを恐れて次々と骨抜きに!
しかし、当初は厳しいことがいわれたこの法律ですが、金融庁でなく経済産業省が主管していることもあって、今では個人消費を冷え込ませない方向に大きく舵を切ったといえます。結果的にはほとんど骨抜きの法律になったといえます。年収証明書の提出は自己申告でよくなりました。つまり、これまでのような曖昧なものでも十分に審査を受けることができるということです。当初専業主婦はクレジットカードは持てないともいわれました。持ちたければ夫の家族カード会員になれといわれたものです。しかしこれもマスコミが反発したために、結局は最大30万円は認められ、さらに、世帯主と合わせて200万円くらいは持てるようになりました。 オートローンも規制するといっていましたが、クルマ販売を促進するために対象から外れました。これまで通りに使えるようにいろいろと便宜が図られた!
また、カード利用が増えるなかで個人消費に悪影響を与えないようにとの配慮から、例外規則がいくつも設けられました。少額限度額――― 限度額が30万円以下のクレジットカードを発行する場合は、過剰な債務や延滞等を確認する簡易な審査で発行可能とする
一時増額――― 一定期間だけ特定の目的(海外旅行、引越費用、冠婚葬祭等)のため消費者の求めに応じて限度額を増額する場合は、目的・使用場所を確認することで与信審査なしに限度額の増額を認める
カード更新――― クレジットカードを更新するときは、債務残高が5万円未満の場合は審査なしで、5万円以上の場合は簡易な審査により更新可能とする
といったようにほとんど骨抜きの状況となっています。
分割二回払い、ボーナス一括払いは規制対象だから利用は慎重に !
一方で、 2カ月に渡って支払うものはすべて規制の対象になります。利子の付かないボーナス一括払い、分割二回払いも対象になります。ネットショッピングで一括払いなのに2カ月以上決済されない場合も対象になりますから注意が必要です。利用額をオーバーして使えば、どこで使っていようと、すぐに利用を停止されますから、慎重に利用するようにしましょう。専業主婦が取るべき対策はこれだ!
・ キャッシングをしたいなら夫に話して家族カードに入れてもらう。そうすれば、夫の利用限度額内で使うことができます
・ 夫の管理下に入るのが嫌なら、夫の承諾を得て「配偶者貸付」で自分のカードを作ってキャッシングをしましょう(夫の承諾書、住民票、夫の収入証明書など5点セットが必要)
・ それが嫌ならアルバイトかパートにでて働き、収入証明書をもらい、専業主婦でなくなればよいでしょう。少しでも働けば、有職婦人とみなして審査をしてくれる。悪くても10万円の枠はもらえます・ それも面倒というなら、あまり他のことは考えず寝ていなさい。生活レベルをおとしてじっとしていることです。贅沢を望まなければお金はかかりませんから、キャッシングの必要もなくなります
・ 今まで長くキャッシングを利用していたなら過払い金がかなり貯まっていることでしょう。今後キャッシングが難しいというなら、早めに過払い金をもらい、それを生活の足しにしてはどうでしょうか
【関連リンク】
経済産業省・割賦販売法分科会