WAONののぼりを立てるだけで、「ついで買い」を狙える好立地
WAONは徐々に認知度もあがり、商店街でも活発に使われるようになっています。最も使われている店は、駅からジャスコに向かう道筋にある八百屋さん。「のぼりを立てているとWAONを使おうとたくさんの人がやってきます。女性だけでなく男性もやってくるようになった」と店主も喜んでいます。イオン側も商店街とのコラボレーションが猛烈な勢いで進んでいくので、戸惑うくらいといいます。イオンにとってはこの挑戦の意味は大きいといえます。大規模小売店舗立地法(大店立地法)が制定されて郊外店は思うように作れなくなっています。今後は市街地への進出を余儀なくされるでしょう。その際に地元商店街との軋轢が懸念されますが、それを解決する方法として久里浜のケースは大いに参考になるからです。
繁華街進出の際の手本になる可能性
では、どこが参考になるのでしょうか。私なりに分析してみました。ひとつは「商店街にまだ活気があるからWAON導入が可能だった」という点。いくつも商店街を回って分かるのは、シャッター通りになってしまうと再生は難しくなります。久里浜商店街はまだ活気が残っているので繁盛は可能なのです。もうひとつは「商店街が駅とジャスコの間にはさまれた恰好になっているため、駅から降りてジャスコに向かう人がついで買い物をしてくれる」という点。つまり、駅(ターミナル)とジャスコで商店街を挟んだからうまく行ったということです。しかし、これはどこの町にも当てはまるものではないでしょう。商店街が駅から離れたところにあったり、長く伸びていたりいろいろです。しかし、顧客の導線をうまく捉えれば流通系電子マネーを地域通貨として生かせる道は拓ける、それを久里浜は教えてくれています。プレミアム商品券の活用も検討
さらに、5月には総額8億8000万円にのぼる横須賀プレミアム商品券が発行され、10%のプレミアム付きで使えるようになります。:そこで、いま、この商品券を使ってWAONにチャージすると、ポイント還元率を高めようというアイデアもでています。電子マネーとプレミアム商品券を結びつけるのはうまいやり方です。今後の展開に注目です。【関連リンク】
イオン久里浜商店街