不況のせいで全国各地で地域通貨が復活か?

全国各地で定額給付金の支給が始まっていますが、それに合わせて市町村でも独自に共通商品券を発行するところが増えています。各自治体は、自分たちで疑似通貨を発行してでも街を元気づけようと頑張っているわけで、今回の不況の深刻さを物語っています。が、同時に、私個人としては、思わぬところで地域通貨が芽吹いた感じがしてうれしく思っています。

地域通貨ではWAONが先行するも苦戦中

地域通貨といえば、本家のWAONを忘れてはいけません。イオングループが発行する電子マネーWAONは07年4月に登場した時から地域通貨を標榜していました(イオンが進出した地域で、商店街と共に使える地域通貨を目指しています)。私は、昨年春に中部地方のI市、東北地方のM市など、商店街にWAON導入を検討する市町村を巡って取材しました。あれから一年間、なかなか良い知らせが届きませんでした。イオンと商工会議所、市役所は熱心に進めようとするのですが、商店街は大型スーパーの電子マネーを使ってポイント(0.5%)を付ければ、商店街のお客をみな持っていかれるという思いが強く、話し合いは進まなかったのです。

久里浜商店街で突然、WAONの普及が始まった!

やはり難しいか、と諦めかけていたところに横須賀市久里浜で新しい動きがでていると聞きました。久里浜というのは三浦半島の町。昨年8月にジャスコ久里浜店がオープン。それに合わせるように、2月には240店舗ある商店街のうち50店でWAONを導入して大いに盛り上がっているというのです。
さっそく行ってみました。街の基点は京急久里浜駅。そこから500メートルほど南下したところにジャスコ久里浜店がありました。その間に挟まれるように久里浜商店街が広がっているのです。商店会協同組合の森下守久理事長は、「イオンの出店の話があったときに、これは起爆剤になると思いました。それにはWAONを使えるようにして、私たち商店街全体がイオンのモールのような関係になればうまくいく。これほどの不況になったら、お互いに助け合わないと共倒れになる。共存共栄の時代です」とその狙いを述べています。イオンのモールに加わるのだから、同じ通貨のWAONを使うのは当たり前。なかにはイオンの特売日に合わせて20日と30日に自らも5%割引をしてイオンに歩調を合わせている店もあるほどです。