上がれば得、下がれば損する仕組みは、株式投資と同じ
下がれば損をする投資信託のリスクをしっかり認識しよう。 |
とはいえ、例えば2008年秋のリーマンショック以前に、株を組み込んだ投資信託を買っていた人たちは、2009年5月現在かなりの含み損をかかえているはずです。複数の投資先に分散されていても、買ったときよりも値下がりすれば損をします。値上がりすれば、その分が儲かるのが投資信託。つまり、お金が増える仕組みは株式投資と同じです。
また、必ず確認したいのが手数料。投資信託は、買うとき、持っているとき、売るときに手数料がかかります。手数料の分を超えて値上がりしなければ儲けは出ません。値下がりはしなくてすんだけど値上がりもしなかった、買ったときと同じ価格の投資信託を売ると、手数料の分だけ損をします。このことを、しっかり認識しておく必要があります。
投資信託ってほんとに初心者向け?
投資信託は投資の初心者向けとも、よく言われます。けれど、何千本もある投資信託から、これと思う投資信託を選ぶのは至難の業。株式に投資するもの、債券に投資するもの、特定の業種の株式に投資するもの、新興国の株式に投資するものなど、様々なタイプがありますから、株式投資や債券投資に関する知識をはじめ、ひいては産業や世界経済の動向まで知っていなくてはなりません。買うなら、インデックス型かバランス型?
というわけで、初心者向けによくすすめられるのがインデックス型の投資信託です。例えば日本株インデックス型は、日経平均株価やトピックスと同じような値動きをするように運用されます。日本の株が全体的に値上がりすれば、インデックス型の投資信託も値上がりします。平均株価が将来的に上がるだろうと思うなら、インデックス型を買えばいいわけです。もうひとつ、同じような考え方を世界に当てはめたのが、世界バランス型。こちらは日本を含む世界の株式をはじめ債券や、商品によっては不動産にもバランスよく投資して、世界全体での経済成長による値上がりを狙おうというものです。実際に、過去の株式などの値動きを分析して、世界の株式・債券、国内の株式・債券にほぼ均等に投資をするのがもっとも利回りがいいと主張するプロの投資家もいます。ただし、2008年秋のリーマンショック以降は、世界経済の枠組みが以前とは変わったとも言われているので、過去の成功の法則がこれからも当てはまるかどうかはわかりません。
儲かるかどうかはタイミングしだい
同じ投資信託を持っている人でも、儲かっている人と損をしている人がいます。投資信託の価格(基準価額)は、投資している株式や債券の値動きを反映して上がったり下がったりしています。だから、いつ買ったか、いつ売ったかにより、儲かるか損をするかが違ってくるわけです。2009年春以降に日本株インデックス型を買った人は値上がりしているはず。株価が回復しているからです。とはいえ、このまま回復するのか、また下がるのかはわかりません。不況の時期に積立で始めるのが王道?
ガイドは、一生、銀行の預金のみという選択も決して悪くはないと思います。投資をするには、それなりの時間やエネルギーが必要です。もちろん、不確実だけれど、自分は日本や世界の経済的な成長を信じてそこに自分のお金を投資し、うまく行ったときは利益を手にしたいと思うなら、株や投資信託を買う意味があります。当然のことながら、買い付けのタイミングは、なるべく株が安い時期です。そして利用したいのが積立という方法。毎月、決まった日に、決まった金額を機械的に買い付けるので、値動きに一喜一憂せずにすみます。
株が安い、つまり景気が悪い、不況の時期に、日本や世界の経済成長に連動する投資信託の積立を始め、少しずつ残高を増やし、景気がよくなることを期待するのが効率的な投資信託の利用法といえそうです。
今がその時期にあたるかどうかは、何年かすれば時間が教えてくれることになるでしょう。
次ページで、日本株インデックス型、世界バランス型の2タイプの投資信託を積立で買える都市銀行などを紹介します。