ソロスが語る成功の秘訣は?
『ソロス―世界経済を動かす謎の投機家』(ロバート スレイター著、1995年早川書房)はソロスを理解する最適な入門書。 |
ポンド暴落を先取りした派手な為替取引で彼の名声は決定的となりましたが、為替市場は株式市場と比べると、数段も複雑です。彼は為替は8つの変数により形成されると説明します。株式とは違って、為替市場では失敗の連続だったとみずから認めています。
「私が確かに人より優れている点は、私が間違いを認められるところです。それが私の成功の秘密なのです」by ジョージ・ソロス(『バフェットとソロス 勝利の投資学』マーク・ティアーダイヤモンド社より)
ソロスは、為替市場の歴史的な勝者となりましたが、決して軽はずみな予測や予言を公言しません。「どの国の経済がこうなるから、通貨の価値はこう変わる」などといえるほど為替市場が薄っぺらでないことを、一番彼が知り抜いていたからでしょう。
彼はオーソドックスな投資家ではありませんでした。むしろ、みんながなだれ込む本流のターニングポイントを狙って、世間の裏をかくことに自分の成功を感じていたのかもしれません。
リートのターニング・ポイントをつかむ!
ソロスは、初期のリート(不動産投資信託)でも、ターニング・ポイントを逃しませんでした。1996年にリートに目をつけたソロスは、「4つの段階」を踏む再帰的暴騰/暴落過程が、この新しい証券の価格をとても高いところまで持っていき、その後暴落が起きると予測しました。
第1段階:銀行金利が高いので、リートは伝統的な抵当証券にくらべて魅力的な資金調達手段となる。それにつれて、市場で取引されるリートの数は急速に増加する
第2段階:新しくつくられたリートを通じ新規資金が大量に流れ込み、不動産ブームが起きる。その結果、リートの価格はさらに高く上昇し、リート投資はいっそう儲かることになる
第3段階:ブームが終わると不動産価格は下落し、リートは不良債権化した融資残を大量に抱え、銀行はパニックを起こし、融資の回収に走る
第4段階:リートの収益は低下し、業界再編が起きる。つまり暴落
実際にソロスは、リートの上昇でもうけ、下落でももうけました。それから10年後、日本のリートはどの段階にいるのでしょうか?ソロスに聞いてみたい気がします。
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