財形も401kもどちらも会社が金融機関を指定しているのが一般的なので、給与振込口座と同じ金融機関の商品を選択するときには個人の口座との合計額に注意。財形では他の金融機関を選択、401kでは資産のすべてを同じ銀行等に預けないことで(他の金融機関の商品を購入することで)、1社への資金の集中を避けることができます。
1社との取引が合計で1,000万円を上回ることのないよう資産を振り分けるなどして、注意しておきましょう。
3:投資信託やMMFの活用を考えよう
ペイオフは銀行等の破綻の問題ですが、生保等の破綻時にも保険金が必ず全額保護されるわけではありません。金融機関の破綻にめげない金融商品に財産の一部をシフトさせるのも有効な手段です。郵便局などはその受け皿の一つといえますが、限度額があるのも事実です。
そこでおすすめなのは投資信託です。投資信託は意外に知られていないのですが、証券会社の破綻リスクから保全されているしくみになっているのです。投資信託の資産は、信託財産として信託銀行で保全しており、証券会社や信託銀行の経営から切り離して管理されています。つまり、投資した本人の財産として扱われているわけです。
証券会社や信託銀行はこれらの財産を勝手に使うことはできず、約款に定めた手数料のみを引き落とすことだけができるようになっています。その意味では金融機関の破綻に影響されない金融商品といえるのです。
確かに、投資信託は時価による価格変動をダイレクトに受ける商品です。元本割れも珍しくありません。しかし、それは逆にいうと、金融機関の財産とは完全に分離されていることを示しているわけでもあります。実際、価格上昇時にはその恩恵は投資をした本人にすべて還元されるようになっているわけです。
投資信託の中でも、MMFや公社債投信のように元本割れのする可能性が低い(利回りは定期預金とそれほど変わらない)商品もありますし、株式投信のように市場の影響を大きく受けて価格が大きく変動するものもあります。リスクとリターンの可能性をバランスよく見極めて、資産運用の中で財産の一部を位置づけてみるのもよいと思います。