実は、ほとんどのフリーターは「正社員になりたくてなれなかったフリーター」!
フリーターというと「音楽など夢がある人たち」あるいは「ぷらぷら遊んでいる人たち」というイメージがありますが、実際にはそんな人たちは少数派だということはご存じでしょうか? ほとんどのフリーターは「なりたかったけど正社員になれなかった」ためにフリーターという道を選ばざるをえなかった人たちなのです。昨年の「国民生活白書~デフレと生活?若年フリーターの現在(いま)~」によると、今はフリーターだけど本当は正社員になりたいと考えている人は実に72%にもなります。パートやアルバイトでいいと考えている人は全体の15%程度。フリーターの多くが、実はちゃんと働きたがっているということがよく分かります(詳しくはこちら)。
つまり、景気が悪かったこともあって、会社が正社員の採用数を減らしてしまったことにより、若い人が正社員として働くチャンスが減ってしまい、フリーターが増えているというわけです。よく「若い者は働く気がない……」みたいな言い方がされますが、フリーターの現状にはこうした偏見、誤解も多いのです。
一度フリーターになってしまうと正社員にはなかなかなれない!
それでは、景気がよくなればフリーターが正社員になるチャンスが増えるのでしょうか? 最近では企業の決算などが好調に転じ、景気回復の兆しか、ということがずいぶんニュースでも言われるようになりました。もしそうなら正社員の求人が増える可能性がありそうです。しかし、いったんフリーターになると正社員に戻りにくい現状があるようです。先ほどの国民生活白書では新卒時にフリーターであった者と、新卒時に正社員であった者の現状比較がされているのですが、新卒時正社員の62.5%が今も正社員である一方、新卒時フリーターが正社員になれたのはわずか31.4%になっています。割合にしてみると半分です。新卒時フリーターの54.8%は今もフリーターとなってしまっているのです(詳しくはこちら)。なかなか厳しい現実が伝わってきます。
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