企業年金・401k/401k企業型の運用のポイント

401k、運用放棄がなぜ増える?(3ページ目)

ときどきニュースで「401k運用放棄」といった記事を目にします。せっかくの財産なのになぜ放棄してしまうのか?その回避策は?

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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運用放棄になるとどう損するのか

運用放棄の状態になるとどうなるのか確認をしてみましょう。

■お金は1円も増えない状態に凍結される
個人型401kに資産を移しておけば、自分で定期預金を選んだり投資信託を組み入れたりすることで運用を行うことができます。少なくとも定期預金にしておけば、わずかながらも増えていきます。しかし運用放棄になった場合は、純粋に現金を預かってもらう形になりますので、1円たりとも利息はつきません。定期預金の金利が上がっても、投資信託がどんなに値上がりしても、あなたの資産は増えないことになります。

■手数料が引かれる
もともと、個人型401kに加入すると年間5000円前後の口座維持手数料がかかるのですが、運用放棄の状態になった人にも同様の手数料が設定されています。まず、運用放棄状態になる際に4150円が引かれます。さらに毎月50円の手数料を引かれ続け、さらに個人型401kに戻す際に2700円がかかる、といった具合です。運用で利息が増えれば手数料をまかなうこともできますが、運用放棄状態では純粋に目減りしていくことになってしまうわけです。

■加入していない期間とみなされる
401k制度では、通算10年以上加入していないと60歳からもらえないという制限があります。加入期間が短い場合、最大で65歳まで受取開始年齢が先送りされます。運用放棄状態となっている期間は加入していない期間とされますので、60歳になってももらえない可能性が出てきます。

これらの3点が運用放棄のデメリットです。いずれも「あんまりいいことないなあ」と思っていただけるのではないでしょうか。できれば運用放棄にならないほうがいいと思います。

→運用放棄に至る原因や運用放棄を解消する方法、私たちが退職したとき注意する点については、「401k、運用放棄の対策方法」をご覧ください。
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