どういう流れで運用放棄になるのか
そもそもどういう流れで運用放棄と呼ばれる状態に至るのか、整理してみましょう。新聞等で「運用放棄」と書かれる状態とは、制度上「自動移換者」と呼ばれる立場になった人のことを指しています。会社が401kを実施しており、そこに加入していた場合はそのまま企業型の401kに口座がありますし、定年退職を迎えた場合もそのまま年金や一時金を受けることができます。しかし、中途退職(60歳に到達する前に会社を辞める)した場合は、企業型の401kを離れなければなりません。
この場合、選択肢は大きく分ければ2つです。
1. 転職先が企業型401kをやっていた
入社時に人事部や総務部の担当者に「前職で確定拠出年金をやっていたので引き継ぎをお願いします」と言えば、手続きを手伝ってくれます。これで運用放棄にはなりません。
2. 「1」以外の場合
自分で手続きをして個人型401kの口座を作る必要があります。必要な書類を整え、正規の手続きを行えば、運用放棄にはなりません。
しかしながら、手続きがよく分からない、書類をどこから入手すればいいのか分からないなどの理由で、個人型401kの口座に資産が移らない場合が多いのです。
手続きを行う期間は退職してから6カ月間です。これを過ぎると、企業型401kに残されていた口座と資産は、個人型401kを主管する団体である国民年金基金連合会が預かることになります。これが「運用放棄」の状態になるわけです。
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