「スラムダンク」で学んだ時間の恐怖
何事かを成そうとすると、残された時間は短い。だからこそ私たちは時間をうまく使わなければならないのです。 |
私の大好きなマンガの一つでもあるのですが、湘北高校バスケットボール部を舞台に繰り広げられる、いわゆる青春スポ根マンガです。
その中に、三井 寿(みつい ひさし)という名スリーポイントシューターが出てきます。彼は中学時代、全国大会でMVPをとったほどの天才プレーヤーでした。
自信満々で湘北高校バスケット部に入部した彼ですが、練習中にケガをして、安静を余儀なくされてしまいました。その間、ライバルから後れをとっているという焦りと不安から、結局不良グループに入り、自暴自棄の日々を送ります。しかし、やはりバスケへの夢が捨てられず、高3の春、バスケ部に戻ってきました。
彼がバスケに賭けようと心に誓った時、高校生としてバスケができる時間はあとわずか。しかも、キャプテン赤木を中心に、主人公の桜木花道やルーキー流川楓らの活躍により、全国大会出場を賭けた決勝トーナメントに進みます。にもかかわらず、彼は不良として過ごした2年間のブランクのために体力が落ちており、フルタイムを戦うことができません。そして彼は一人涙を流しながら悔しさに震えます。
「俺は……なんという無駄な時間を費やしてしまったんだ……!」
私はこのくだりを読んだとき、時間を無為に過ごして後悔することの恐怖を想像し、背筋が寒くなり鳥肌が立ってしまいました。
これを私たちの生活に置き換えてみると……、
私たちの人生は時間の浪費だらけ
・テレビを見てぼーっと過ごす時間=1時間×365日=365時間=15日・同僚と飲みに行って愚痴をこぼす時間=3時間×月3回×12ヶ月=108時間=4日
・電車の中でぼーっと過ごす時間=30分×往復×200日=200時間=8日
・朝フトンの中でうだうだしている時間=15分×365日=4日
・目的もなくネットサーフィンで過ぎていく時間=30分×200日=100時間=4日
これだけで、1年間のうち35日分にもなります。無意識のうちに1ヶ月も無駄に流れてしまうかもしれないのです。もしこれが20年続いたとすると、ぞっとしませんか?
その他、テレビゲームに興じている時間や渋滞にはまってイライラしている時間、心配事があり他のことが手につかなくて無為に過ぎていく時間など、私たちは日々、膨大な空白の時間を消費しています。
私を含め多くの人は、最高の人生を演じたい、成功して家族を幸せにしたい、二度とない人生を精一杯生きたと実感したい、世の中の常識に流されずチャレンジしたいと考えていると思います。しかし、時間に無頓着に過ごしていると、気が付いたときには時すでに遅し、人生を棒に振っていた、なんていうことにもなりかねません。
私が投資で資産を作ろうと決心したとき、本業の会社員と平行して投資をするには、あまりにも自分の時間が少ないと痛感しました。そして今、自分の会社を成長させようとがんばっていますが、1日、1週間があっという間に過ぎていきます(もっとも、楽しいからかもしれませんが)。こうして1年が過ぎ、2年が過ぎ、気付いたらもう35歳・・・。
人生80年といいながら、何事かを成そうと思うと、残された人生はあまりにも短いように感じます。毎日、「早く終業時間にならないかな」と思いながら過ごす人でさえ、やりたいことが見つかったときには、使える時間はとても短いことに愕然とするのではないでしょうか。
タイムマネジメントは人生を欲張りに生きるため
このコラムを読んでいる皆さんは、本業を持ちながら、空いた時間で株や不動産へ投資したり、週末起業やネットビジネスをしたり、起業を目指して準備をしていると思います。だからこそ、自分の自由になる時間の確保が必要なのであり、ここにタイムマネジメントの必要性が生じるのです。世の中には、時間術と称していろいろなテクニックを紹介している本が存在しますが、私たちがなかなか長続きしないのには理由があります。それは、「あれをやりたい」「こうなりたい」という目的やその理由が、日々の忙しさに紛れて希薄になってしまうからです。
そもそも時間の有効活用をするのは、浮いた時間で何かをやりたいという動機があるからのはずです。(特に何もなければ、時間を効率よく使う必要性はないわけですからね)
その動機を明確にするには、やはり紙に書くことが効果的です。モチベーションエンジンとして紙に書くという方法は、以前のコラムでご紹介しましたが、次回は、日々のタイムマネジメントの方法として私が実践していることをご紹介します→後編へ