ニュータウンはなぜ衰退するか?
反面教師として、戦後に開発された郊外型大規模ニュータウンは、賃貸需要も売買需要も小さいため、資産価値はゼロに等しくなります。なぜかというと、ニュータウンの惨状を見ればわかります。都心から1時間以上離れたニュータウンには、低所得の第一次取得層が大挙してやってきます。しかし20年後、その子供たちは、不便だからといって都心に出て行き、もう戻ってはきません。するとそのニュータウンに住んでいるのは高齢者ばかりとなり、スーパーもコンビニも経営が立ちゆかなくなり、撤退せざるをえません。もちろん、そんな街の不動産を借りたい人も買いたい人もいません。こうして廃墟となるばかりです。
他にも郊外の大規模ショッピングセンターがあるからとか、大型病院があるからとかで資産価値が高いと見る人もいますが、高齢化してクルマ離れが進むのは必然なのに、そんな街の活気がいったい何年維持できるのでしょうか。そして大型総合病院が閉鎖されれば、地域に住む人はいなくなるということが予想されます。
しかし恵比寿や麻布なら、借りてくれる人もいれば買ってくれる人もいる。さらに駅から近ければ、築40年経っていても、トップランクの賃料・売価を保てるのです。結局、資産として価値のある不動産とは、「収益性」と「換金性」以外では計れないのです。
「このくらいなら手が届くから」という理由で買ってはいけないのです。「500万円も値引きしてくれるから割安」なんて買ってはいけないのです。
では、どんな視点で物件を選ぶべきか?→自宅を買って沈没しないために(後編)