まだPDAを使ったことのない方や、これからPDAを使ってみたい方々には、現在のPDAは不明な点などが数多くあり、今回の連載を通じてPDAという機器を少しでも理解していただける参考になれば幸いと思っています。
また、現在PDAを利用されているユーザーには、既に理解していることも多々含まれると思いますが、PDAという機器を再度見直すなどのきっかけにして頂ければと思っています。
今回からは、WindowsCEおよびPocket PCのハード・ソフトの特徴をみていこうと思います。
WindowsCEのハードウェア
WindowsCE H/PCのハードウェア
キーボード型H/PC端末では、MIPSプロセッサ、SH3プロセッサが主力に採用されてきました。MiPSプロセッサはR4000系をベースに、NECのモバイルギアシリーズ、シャープのテリオスシリーズ、ビクターのインターリンク、NTTのシグマリオンI/IIなどで採用されました。一般にH/PC端末が認知されたのは、WondowsCE 2.0でカラー液晶に対応したワイド液晶型といえます。このシリーズは、640×240ドットのカラー液晶を搭載し、大型キーボードを採用することで、入力端末としての使い易さが大きな特徴です。モバイルギアとペルソナは、特にキーボードが秀逸でした。またペルソナシリーズは、カラーバリエーションやポストペット搭載機なども登場し、女性ユーザーに人気となります。自宅でパソコンのかわりに利用するユーザーも増えたシリーズでした。
MobileGearII MC-R510 NEC 日立ペルソナHPW-60
中期ではA5サイズのH/PCへ発展し、解像度も800×600以上に拡張され、軽量な通信と入力端末としての実用度を向上させました。シャープのテリオス シリーズでは、動画録画も可能なデジカメを搭載し、秀逸なキーボードと現在のSL-ZaurusをイメージできるようなTablet型に変形可能なVJシリーズも登場しました。
ビクター インターリンク シャープ テリオス
また、一回りA5サイズより小型なH/PC機としては、SH3プロセッサを搭載したモノクロ液晶を採用したカシオペアA-55V/60も人気を博しました。
カシオペア A-55V A-60
後期のH/PC機では、MIPSとSH3プロセッサの他にもARMプロセッサを搭載したHP jornada700系シリーズやシグマリオンIIIもリリースされています。
HP jornada 720 NTT シグマリオンIII
Pocket PCのハードウェア
Pocket PCは、初期機種ではカシオペアE-700のMIPSや,、HPのjornada548 のSH3などが採用されていましたが、早期にARMプロセッサ対応を開始し、他機種に先駆けて低消費電力と高速性を併せ持ったARMプロセッサ搭載機種への移行を完了し、今日にいたっています。初代Pocket PCは、マルチメディア機能を強化して登場しました。
カシオ E-700s HP jornada548
Pocket PC2002では、ARMプロセッサに対応し、搭載フラッシュメモリなど、ハードウェアレギュレーションが設定されたことで、高いスペックのデバイが揃うことになりました。反面価格が上昇するといったデメリットも生じています。ただ、jornada568などの外部キーボードを純正品で用意するなど、周辺機器のバリエーションを増やした機種もありました。
カシオ E-2000. HP jornada568
HP h2210 東芝e550
Psocket PC 2003では、液晶がVGAに拡張され、通信端末だけなくホームネットワーク端末への展開も開始されています。またCPUも、ARMベースの高速・提唱電力のIntel Xscale PXAプロセッサが搭載されて更に強化されていきます。
HP hx4700 DELL Axim X50v
周辺機器
Pocket PCは、装着するキーボードやラージバッテリなどの周辺機器が多いのですが、最近に端末は無線LANとBluetoothが内蔵された機種も増えたことで、Bluetooth キーボードなどの周辺機器も増えています。次回は、 WindowsCEのソフトウェア面について見直してしてみたいと思います。