各メーカーからリリースされる端末のルックスに、それほどの違いがなくなってきました。ドコモで言えば、504iシリーズで出揃った端末はみな、

(1)折りたたみ式
(2)メタル系のカラー
(3)背面表示あり

で、似たり寄ったりです。マーケティングを重ねてメーカーがたどりついた先が、広く一般的に支持されるための、この3法則なのかも知れません。

ところで、ドコモの小型携帯電話‘ムーバ’の発売当初(1991年)では、‘折りたたみ式’と言えば、NEC製の「ムーバN」に限られていました。
当初の「ムーバN」のスペックは以下のとおりです。また、他機種との比較のために、当時人気の「ムーバP」のスペックも記載してみます。

●仕様(ムーバN)
高さ 100mm*
幅  55mm
厚さ 30(38)mm*
重量 約250(約280)g
*は折りたたみ時の数値

●仕様(ムーバP)
高さ 140mm
幅  47mm
厚さ 26(38)mm
重量 約220(約270)g

各メーカーが端末の小型軽量化を競っていた時代であった中、折りたたみ式は小型軽量という点で、少しハンディがあったことは上の数値からも見てとれます。また、この段階では、端末を開閉する回数が多くなると2つ折りに曲げる部分(ヒンジ)がカパカパと締まりがなくなってきたり、(通話中など)端末を開いた状態で誤って落としてしまったりすると壊れやすい、などユーザーからの声も多く聞かれたようです。

そんな状況下、1994年にリリースされた「ムーバN?」ではNECも折りたたみ式をやめ、スタンダードなストレートタイプの端末を出してきたことがあります。ところが、私の周りのこれまで密かに折りたたみ式ケータイを支持してきたユーザーの間では、折りたたみ式ケータイはなくなってしまうのか? 折りたたみ式ケータイ復帰して! などの不安や応援の声が多くあり、そんな声を受けてか、NECは次期モデルの「ムーバN?HYPER」で折りたたみ式ケータイを復活。何度か並行してストレートタイプの端末をリリースさせたりと市場のニーズを見極めつつも、根強いファンに支持されながら、今日まで折りたたみ式ケータイを守り続けてこられたという経緯があります。

折りたたみ式ケータイがストレートタイプに逆転、スタンダードなモデルになったとも見える昨今、NECがいち早く折りたたみ式ケータイに賭けた先行的取り組みや、これまでの改良の成果に改めて敬意を表したいですね。

また今後も、どんな斬新なモデルが、どんなメーカーから出てくるのか? 期待してウォッチしていきたいと思います。


参考
写真は、10年ほど前のNTTドコモ・カタログ。自宅本棚に眠っていたものです。。小型携帯端末シリーズとして、初代『ムーバ』が登場した頃。
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※機種やOSのバージョンによって画面表示、操作方法が異なる可能性があります。