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NetBeans 5.0によるStruts/JSFの開発(3ページ目)

新しいNetBeans 5.0では、標準でStruts/JSF開発がサポートされています。その実力をチェックしてみましょう。

執筆者:掌田 津耶乃

JSFプロジェクトの作成


プロジェクトウィザード画面で「JSF」のフレームワークをONにする。
次に、JSFの対応を見てみましょう。こちらも基本的な扱いはStrutsとそれほど違いはありません。まず、プロジェクトを作成する際に、フレームワークの設定から「Java Server Faces 1.1」をONにすると、JSF利用に必要な各種ファイル類やライブラリがプロジェクトに組み込まれた形で作成されます。

プロジェクトウインドウで確認してみると、WEB-INF内にfaces-config.xmlファイルが、またindex.jspとは別にwelcomeJSF.jspファイルが作成されていることがわかります。またライブラリ人はJSF関連のファイルが標準で組み込まれます。

プロジェクトには、標準でStruts利用のためのXMLファイルとライブラリが組み込まれている。


JSF管理対象Beanの作成ウィザード。これでBeanを自動生成できる。
XMLエディタではfaces-cinfig.xmlのタグを追加するメニューが用意されている。
送信されたフォームなどの処理を行うBacking Beanなど、JSFでは各種の管理Bean(Managed Bean)を作成しますが、これらは<新規ファイル>メニューから「JSF 管理対象Bean」という項目を選択して作ることができます。表示されるウィザード画面から、クラス名やBeanのスコープなど必要な情報を設定することでBeanクラスを生成できます。

JSFタグを記述するJSPファイル、faces-config.xmlによるXMLファイルの編集なども、それぞれJSP/XMLエディタにより編集が行えます。いずれもJSF専用のタグを補完機能により入力したり、専用メニューによりタグを自動生成できるなどといった点はStrutsの場合とまったく同じです。

評価は、ビミョー?


StrutsにしろJSFにしろ、必要な機能は一通りそろっていますし、これらに未対応な開発環境などに比べれば遥かに便利であることは確かでしょう。ただ、正直いって「お勧め!」と断言するのには少し躊躇してしまうところがあります。

用意されている機能はけっこうあるのですが、すべてがばらばらなのです。StrutsやJSFの開発では「ここでこれをやったら、自動的にここまでやってくれると便利なんだけどな」というところがいろいろとあるのですが、これらが微妙に中途半端なところで終わっているのですね。まさに、「痒いところに、あと一歩で手が届かない」といった状態です。便利は便利なんですが、人によっては「イライライラ……もういい、全部自分でコードを書く!」と思ってしまう人もいるかも知れません。

ただ、これはある意味で「過渡期の機能である」というためでもあるでしょう。Javaの開発元でもあるSun Microsystemsは、同社の製品であったSun Java Studio Enterpriseのソースコードをオープンソース化し、netbeans.orgに提供すると発表しています。これにより、近い将来、大幅に機能アップしたNetBeansの新バージョンが登場することが期待できます。

やや物足りない部分はありますが、確かに面倒なファイルの組み込みや設定などはすべて自動でやってくれますし、JSP/XMLエディタもなかなかに使いやすく強力です。将来を見据え、今のうちにNetBeansを使い始めておくことは、そう悪い選択ではないように思います。――いろいろ不満点は書きましたが、実はガイド自身も最近はNetBeansを使うことが多くなっており、EclipseはPHP/Perl専用になりつつあることを最後に書き添えておきましょう。
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