営業時間は午前11時から翌朝7時!?
ドン・キホーテ六本木店の前から。何故こんなところに…という感は否めない。それを楽しいと思うか、違和感を覚えるかは立場によりますよね |
とくに不評だったのは、午前7時まで夜を徹しての営業。約240店が加盟する六本木商店街振興組合は「犯罪や事故に結びつく」「騒音、人の叫び声が一日中街に響き渡る」などと主張し、9月下旬、港区議会に「ドン・キホーテ六本木店店舗屋上に設置中の構造物『遊戯機械(絶叫マシーン)』設置反対に関する請願」を提出し、区議会での審議を要求。その後、本会議にて、全会一致で採択されるに至ります。
当時の新聞で振興組合は、「全く説明もないままの建設で、周囲の住人や商店、診療所などのことを無視している。さらに周辺に学校も多く、子供たちへの影響も大きい。利益優先でなく、地域社会と協調を考えて計画すべき」とコメントしています。
建築許可済み。請願は無力なのか。
ドン・キホーテ側の主張はどうなのか。当時の新聞からの抜粋です。約80人が参加した説明会で、稲村角雄取締役は「説明が不足していた」と謝罪する一方で、
「騒音はなく、安全性も確認済み。説明は、工事直前に個別に訪問して済ましている」。
「防音壁を設置した想定で騒音に関する数値を算出した」。
「あらゆる法的な設置基準をクリアし、安全対策に万全を期している」。
「試運転を行い、騒音を再確認し、運行時間を最終決定する。運行後も検証を重ねる」。
組合側が主張する問題はクリアしていることを強調し、理解を求めています。まあ、どらちの主張もわかるけれど、ただ、深夜を徹しての運行となるとねえ。とはいえ請願は法的な拘束力を持ちません。建築確認など法的な許可はおりており、請願が採択されてもそれを覆すことはできないとか。
そういえば、以前同様の問題がありましたね。東京ドームシティ アトラクションズの「サンダードルフィン」の建設の際に、沸き起こった騒音を懸念しての建設反対問題。「乗客の絶叫が生活環境や健康に影響する」とし、都の公害審査会に近くのマンションの住民ら111人が調停を申請。人の“絶叫”が環境問題の焦点となる異例の審議になりました。その際、文京区は独自の調査を行なった上で遊園地を運営している東京ドーム側に対策を要請し、問題は収束しました。
建設延期、事実上の断念か?
どうなる日本初の「ハーフ・パイプ」… |
しかし、そのリリースを読んで、さらにびっくり。ドン・キホーテさんって、超強気なんですから。
発表の中で、今回のプロジェクトの目的を次の2点とし、
●健全かつ安全にスリルを楽しめる、他にないユニークなアミューズメント機能を提供してお客様に喜んでいただきたい。
●わが国有数のエンターテイメントタウンである六本木のさらなる賑わいと活性化、街全体の話題性や付加価値向上に寄与したい。
これら目的が「いたずらにないがしろにつれている」と論評。
反対住民の方への説明会、港区職員立会いのもと安全・防音対策等の説明会をも催し、騒音に対しても専門のコンサルタントとの再三再四の実験で実証済みと説明。また、諸団体や組合の一部の意見への反論として、これら努力に一切耳を貸さず、何の根拠も裏づけもない感情論とばっさり。
開業延期の理由については、設計・施工・運営はインタミン・ジャパン社によるもので、場所を貸しただけのプロジェクトで本業に悪影響があるのは困るから、という主張のようです。この延期発表でとりあえずは一件落着か。
この記事のため、先日写真を撮りにドン・キホーテ六本木店界隈に行きました。延期とはいえ、いつなくなるかわからないですし。とはいえ発表から2週間くらいたっていましたが、以前ハーフ・パイプはそびえたまま。復活するんでしょうか。
ドン・キホーテは大阪・道頓堀店に観覧車を設備していますね。六本木に観覧車というのも似合わない感じですし、絶叫マシンは問題あるし。ラスベガスのストラスフィアタワーに絶叫マシンがありますが、かの地は住宅がない完全な繁華街ですし。
都市におけるエンターテインメントって何だろう?そんな問題を提起した事件でした。皆さんはどう思われますか?