“スー”の復元画 Cast and Specimen of the T.rex Sue on loan from The Field Museum, Chicago, USA ©2005 The Field Museum, Painting by John Gurche |
3月19日(土)から7月3日(日)まで、国立科学博物館にて「恐竜博2005」が開催されます。世界一有名な恐竜といわれるティラノサウルス“スー”をはじめ、話題のディロングなど貴重な化石や最新の研究成果を公開します。
恐竜フリークの夢、“スー”初来日
あるとき朝日新聞を読んでいたら、恐竜担当の記者さんの記事が掲載されておりまして。へーっ、恐竜担当がいるのかという驚きとともに、恐竜の人気を再認識したわけです。さて、そんな全国にたくさんいらっしゃるはずの恐竜フリークの皆様、今年の恐竜博はスゴイです!まさに待ちに待った開催です。それは、恐竜フリークなら知らない人はいない、もしかしたら恐竜好きじゃなくても知っている、あの世界一有名なティラノサウルス“スー”が日本初上陸を果たします。一度でいいからスーに会いたかったと恋焦がれた恐竜ファンは、日本にも相当いたはず。そんな皆さんの夢が叶います!
“スー”って何?という方へ
発見された“スー”の頭骨と発見者スーザン・ヘンドリクソン©1990 BHIGR |
発見後、発掘者や土地所有者などの間で所有権の争いが起こりました。発掘された土地がネイティブアメリカン(スー族といいますが、スーの名前の由来とは関係ないとか)の居留地だったことも事を複雑に。結局は米連邦政府に庇護された土地所有者が競売を望み、1997年、ニューヨークで開かれたサザビーズのオークションに出品されることになりました。
約10億円で売られた“スー”の価値
サザビーズで競売にかけられた結果、米国フィールド博物館などが競り落とした金額は、なんと約10億円! というのも、ティラノサウルスが肉食恐竜の中でもっとも人気が高いという理由もありましょうが、それだけではありません。これまで見つかった化石の中でも最大級といわれる全長12.8メートルの大きさや、さらに全身の90%以上の骨がそろったほぼ完全な標本だったこと、保存状態のよさなどから、スーの価値は他の標本とは比較ならないほど高かったようです。余談ですが、このオークション後、化石がお金になるという風潮が問題になっています。米国には「化石ハンター」と呼ばれる人たちがいて、学術上価値の高い化石を探し、博物館などに売るのだそうです。今後危ぶまれているのは、恐竜化石の宝庫と目されている中国。経済上の理由から、恐竜化石を盗掘し、裏のルートでの売買してしまうとか。恐竜博とは関係のない夢のない話で、すみません。
実物化石の一部を初めて貸出
ティラノサウルス“スー”の全身複製骨格(フィールド博物館蔵)©2005 The Field Museum |
また、今まで門外不出だった実物化石の一部も、世界で初めて館外に貸し出され、「恐竜博2005」にて公開されます。「世界でもっとも有名な恐竜」を日本で見る二度とないチャンスです。ぜひお見逃しなく。
さて、「恐竜博2005」では、“スー”以外にも見どころいっぱい。次のページではその一部をご紹介します。